クラシック奏者によるピアソラは今まで随分録音もありましたが、これはちょっと素敵な1枚。《ブエノスアイレスの四季》を全曲収録。間には《ブラジル風バッハ第5番》を始めリアルの美しいソプラノとの共演。ヴィヴァンコスの《Vocal Ice》はチェロが奏でる荘厳で静かな響きの中にソプラノがすっと響く精神的なものを感じさせる1曲で続く《鳥の歌》からラストの《春》への流れは実に洒脱なプログラム。凝った選曲、そしてチェロアンサンブルならではの音の質感の深さと重厚な中で表現されるリズムの刻みのシャープさが素晴らしく、リアルの澄んだ美声とのアンサンブルは聴き応えがあります。