GANGSTA CLASSICS
SCCとMCブリードのGな名盤がリイシュー!

 ロックやソウルなどと同様に多くの古典を残すほどの歴史を重ねてきたヒップホップだが、その一部だけが急激に浸透している昨今の状況を見れば、まだ多くの聴き手がビギナーに違いないわけで……ってことで、今回は復刻された名盤2枚を紹介しておきたい。

SOUTH CENTRAL CARTEL South Central Madness Pump/Snow Dog(1991)

 まずはLAのサウスセントラルで結成されたサウス・セントラル・カーテルの91年作『South Central Madness』。ザップとデルフォニックスのネタを組み合わせた名曲“U Gotta Deal Wit Dis(Gangsta Luv)”を頂点に、焦燥感と甘露に満ちたギャングスタの日常を描く、NWA以降/Gファンク前夜のストリート・ソウル盤である。

 

M.C. BREED & D.F.C. M.C. Breed & DFC. S.D.E.G./Snow Dog(1991)

 もう1枚は、ミシガン州フリントという辺境から出てきたパイオニア、エミネムやディラに多大な影響を与えたMCブリードがDFCを従えた91年作『M.C. Breed & DFC.』だ。EPMDを泥臭くしたような作風で知られ、ここではザップ+オハイオ使いのプレGファンクなクラシック“Ain't No Future In Yo' Frontin'”が圧倒的。いずれの作品もNY偏重だった90年代の日本では無視されていたので、初心者ならずともこの機会に聴いてみてほしい。