春はいろいろな感情を想起させるが、インディゴにおける川谷絵音にとっての春は悲しく寂しいものだったようだ。かつての燃えるような恋が終わり、後悔の念だけが残った様子を、歌詞の通り季節風のごとく吹きすさぶサウンドと美しいファルセットも交えた歌声で表現。バンドの新たなフェイズへの突入を予期させる一曲だ。それにしても〈何も言えずのままが詞になって 結局傷付けると思うのは勘違いなの?〉と思っていてもなお、それを詞にしてしまう、そのセンスこそが川谷絵音の真髄だと思う。