LOS ANGELES' TIME 2018
[ 緊急ワイド ]深みと広がりを増すLAシーン
ビート・ミュージックとジャズからもう一歩進んで、LA産の音がますますおもしろい!

★Pt.1 KINTARO『Commando Existential & Universal EP』
★Pt.2 KNOWER『Life』
★Pt.3 RYAN PORTER『The Optimist』
★Pt.4 GOD.DAMN.CHAN『Slush』

 


 10年以上前、カルロス・ニーニョの多様な活動が話題になった『From LA With Love』な時代からことあるごとに盛り上がりが紹介されてきたLAのアンダーグラウンドなシーン。そのたびにプラグ・リサーチ、ストーンズ・スロウ、アルファ・パップ、ブレインフィーダー、リーヴィング……と老舗も新興ブランドも入り乱れる形で人気レーベルやローカル・ヒーローがさまざまに送り出されてきたものだが、近年はフライング・ロータスやサンダーキャット、カマシ・ワシントンら大物たちの人気がある意味では固定されることによって、却って小さな盛り上がりの数々はキャッチしづらくなって見えにくくなっていたかもしれない。

 とはいえ、聴けば最高な作品はいくらでもあるわけで、老舗のアルファ・パップや系列のワールド・ギャラクシーからは刺激的なブツが続々と世に出されているし、そうした動きをコンスタントに紹介しているのが例えば日本のringsだ。今回は精力的な動きを見せるrings経由のLA産品を中心に、縦横無尽に網目を広げる彼の地の良品を紹介しておく。なお、今回は紙幅の都合で省略するが、往年のカルトロイト作品のように、LA産でなくても地続きで楽しめる作品は存在しているということも念のために付記しておこう。 *香椎 恵