YGSFの新作と共にいまの季節を素敵に彩る作品たち

 『AM Waves』の横に置きたいアルバムを勝手に5枚選んでみた。まず、ドゥービー・ブラザーズ版“What A Fool Believes”のリズムを拝借したようなYGSF“Lolita”の後に手を伸ばしたくなるのが、サンダーキャットの2017年作『Drunk』だ。もちろん目当てはマイケル・マクドナルドとケニー・ロギンスという感涙の組み合わせが実現した“Show You The Way”で、スウィートな聴き心地は発表から1年経っても全然飽きない。

 続いてはスウェーデンのアーバン・ソウル・トリオ、ソウェコが放った2017年作『Keep On』。艶やかなバリトン・ヴォイスの向こうにはいつもカラフルな液体に満たされたカクテルグラスが見えてくる。スウェーデン繋がりでは、ウィリアム・シークストロームの2018年作『Running Out Of Time』からもYGSFと同質のポップセンスを発見することが可能だ。ペイジズやアル・ジャロウ愛に溢れた音作りが微笑ましいな。

 それと〈MPBのミスターAOR〉ことエヂ・モッタの2016年作『Perpetual Gateways』も、ぜひここで紹介したい逸品。US西海岸マナーなグルーヴィー・チューンの背景には、海風を受けてなびくヤシの木が……。で、最後の1枚はやはり〈元祖ミスターAOR〉ボビー・コールドウェルをジャック・スプラッシュが引っ張り出した、クール・アンクルの2015年作『Cool Uncle』を。ジェシー・ウェアを招いた“Break Away”など、マイアミの摩天楼が似合う最新モードのAOR曲を聴き直すと、そろそろ続編も……なんて思いが強まってくる。何はともあれ、これらの作品を流しながら初夏を満喫しよう。

文中に登場した作品。