渡辺貞夫、伊藤君子、ケイコ・リーなど、数々のバンドでピアニスト、アレンジャーとして活躍してきた野力奏一が自身として初のソロ・ピアノ作を完成。使用したピアノは多くのアーティストのコンサートで調律を手掛けた名調律師、宮崎剛史が所有するスタンウェイ。その響きは野力の表現力抜群のタッチにより、夢幻のごとき美しい音空間を作りあげている。14曲収録された前半はマイルス・トリビュート的選曲に〈おおっ!〉。後半はジョー・ザヴィヌル、渡辺貞夫、そして自身のオリジナル(映画「キッチン」の音楽も)、ラストは“ダニー・ボーイ”。心に響くジャズ・ピアノを久々に聴いた気がする。