イタリアを代表する〈ピアノの詩人〉ステファノ・ボラーニ。ECMにおける名演をはじめ様々な演奏スタイルでのリリースを重ねる彼が、2008年の『カリオカ』以来約10年ぶりにがっつりブラジリアンな作品を発表。『カリオカ』でのリズム隊を再び迎えた信頼のメンバーによりリオで録音された本作は、彼のブラジル音楽への敬愛ぶりが血肉化し演奏に滲み出たような、ブラジルの風を纏いつつも圧倒的オリジナリティでもって聴かせる。カエターノ・ヴェローゾ、ジャキス・モレレンバウム、ジョアン・ボスコという豪華ゲスト参加も含め聴かない理由はない。静かな歓喜の声を上げたくなる傑作の誕生だ。