名花フレミングの最新作はミュージカル。ジャズ、ポップスでのオペラの時とはまた違う彼女の魅力は既に知られていますが、ここで改めてお聴きいただきたい。「南太平洋」「王様と私」といった往年の作品から、最近作までさすかに凝った選曲。名曲“サウンド・オブ・ミュージック”で光がゆったりと降り注ぐような明るさでいっぱいの歌を聴かせたと思えば、SNS時代の孤独を描いて2017年トニー賞で作品賞を受賞した「ディア・エヴァン・ハンセン」の主人公の母が歌う“ソー・ビッグ/ソー・スモール”では、声のトーンもぐっと抑えて深い色合いの情感あふれる歌唱が胸に迫ります。やはり素晴らしいシンガーです。