これまでも多くの名作を送り出してきたイタリアの名手のトリオによる格調高い作品。ピアノの響きや余韻、そして、そこから拡がる聴く者への優しい音場に、長い経験に裏打ちされた音楽への不動の信念が見え隠れする。快速ピアノに疲れたらこんなジェントルな音が欲しくなるだろう。「ピアノの音そのもの」を聴くことを教えてくれるアルバムだ。そして、⑤では一転してフェンダーローズを駆使して異なる音場を示してくれる。これもまた心地いい。録音も生音を伝えるリアルなセッティングが印象的だ! オーディオファンにもお薦めだ。⑧だけはソロで奏でられる。ビアノ音楽そのものが好きな方へお薦めだ。