ブラジル・ポピュラー音楽の創始者”ドリヴァル・カイミにインスパイアされた新作。と言われてもその要素を見つけるのは至難の業。木管奏者ジョアナ・ケイロスや、最近はポール・ヴァン・ケメナデのドラマーとしても無限の引き出しを自在に開き独創的なプレイを炸裂させているマリア・ポルトガル擁する鬼才集団と言えどこれはかなりの問題作。前作のポップなムードもなく、初期トータスを想わせたりもする実験的な室内楽と言ったらいいか。いくつか特定の曲を解析/研究し即興を交えつつ形にしたとのことで、急いでドリヴァル楽曲を聴きなおしてみるもののわからぬ。今やドリヴァルに没入、本作と聴き比べる毎日である。