オッフェンバックのチェロ協奏曲を、彼の生誕200年のアニヴァーサリーに合わせてリリースするなんて、やっぱりモローは素敵だ。もともとオッフェンバックはチェロの(フランツ・)リストと呼ばれるほどの名手であったため、実はチェロのための名品が多い。「軍隊風」と呼ばれるこの協奏曲は、後に喜歌劇の世界で活かされることになる喜遊的な楽想と美しいメロディ、溌剌とした管弦楽が、チェロの高度な技巧と組み合わされており、明るい音色と抜群のテクニックを持つモローが弾くにはうってつけの作品と言える。万華鏡のごとく曲想が変化する併録のグルダと合わせ、楽しめること間違いなしの一枚。