連載をやらせていただくようになってから随分と回数を重ねてきた。

 私は書き物が好きだが、大した実力も自信もない。どれだけ自分の文章が立派なものになったとしても、人の目の前に経てばいつも通りで何も話せない。人とのコミュニケーションに正解などないはずなのに答えばかり探してしまう。学校では〈答えを間違えても恥ずかしくない〉と教わったはずなのに、どうしてみんな自然と間違いを避けて生きていくのだろうか。

 人と違う生き方をしてもいい。認められなくてもいい。けど、それはそれなりに生きづらい。踏み外した時に誰も救えない。覚悟なんて口ではいくらでも言えるのに何も捨てられないのは、覚悟する勇気がないからなんだろうか。

 なくならないものなんてない。居なくならない人なんていない。日々パズルのピースを探し続けている。はまらないピースがあったならそれはどこかへ置いてこないといけないみたいだ。なのにこのパズルは完成などするはずないらしい。そうしていくうちに、朝になったら何もなくなってしまいそうだ。

ヤングオオハラ YOUNG☆BEATS MUNCHKeeN(2018)

 私が今回紹介させていただく曲はヤングオオハラさんの“朝になったら”です。音楽とは不思議なもので、自分と楽曲がある瞬間にぴたっと寄り添う瞬間があります。自分のことを歌っていたり、自分では表しきれない喉の奥のほうにある言葉を歌詞があっさりと取り出してくれたり。そういう部分が音楽の好きなところです。この曲も最近の私をコップいっぱいの水の中から掬ってくれるような曲です。

 この世界にある曲を紐解いていけばすべてラヴソングなはず。それでも多種多様の表現のラヴが音楽の中には溢れていて、とてもおもしろいです。まるで一曲一曲が一人の人間のように。

 


原田珠々華(はらだすずか)
2002年生まれ、神奈川出身の16歳。ファースト・ミニ・アルバム『はじめての青』(TOWER RECORDS)が好評リリース中です。リリース・イヴェント期間を終えて、6月29日には横浜赤レンガ倉庫イベント広場で開催される〈CURRY&MUSIC JAPAN 2019〉への出演が控えています。その後は縁深い〈TOKYO IDOL FESTIVAL〉への出演も発表されたばかり。以降の詳細は〈haradasuzuka.com〉にて!
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