ロイ・ヘインズのバンドで活躍し、中堅から円熟の時期を迎えたキコスキーがアレキサンダーを迎え、ワンホーンによる正統派モーダルシャズを展開。周知だが“サイドに回ったエリックはいい!”というのは当たり、清々しいフレーズを連発し「あのジャズ喫茶の空間」を甦らせる。選曲で唸ったのが、グレン・キャンベルの大ヒット曲③だ。60年代後半的なロマン溢れるメロディラインがエリックを際立たせる。ここから最後まではまさに選曲の妙! テナーにおける名演として残りそうな④! エヴァンス的に流れない個性的な⑤、ファンキージャズに変身したバラード曲の⑥⑨! など外れなしの秀逸盤。