INTERVIEW

ZOC『断捨離彼氏』 大森靖子が〈共犯者〉な異端児たちがグループの現状と待望のセカンド・シングルを語る!

ZOC『断捨離彼氏』 大森靖子が〈共犯者〉な異端児たちがグループの現状と待望のセカンド・シングルを語る!

結成から1年、デビューから数か月でのワンマンも大成功させ、さらなるスピードで世を侵蝕しているZOC。彼女たちのリアルも刻まれたセカンド・シングルを喰らえ!

 大森靖子が〈共犯者〉となって立ち上げたアイドル・グループのZOC。今年の4月30日(=平成最後の日)に“family name”でT-Paletteからデビューを飾るとその名は一気に拡散していき、9月9日には初のワンマンライヴをZepp Tokyoで敢行。チケットは完売し、グループの活動1周年となる記念すべき単独公演は大盛況のうちに幕を下ろした。破竹の勢いでスターダムにのし上がる彼女たちは、10月9日にセカンド・シングル“断捨離彼氏”をリリースする。ダメ男と付き合う女子のリアルをダンサブルで強靭なビートで昇華した“断捨離彼氏”、〈愛のセンス〉でメンバーのピュアネスを描く“A INNOCENCE”はどちらも大森の詞曲。ニュー・シングルについて、彼女たちの現在について、話を訊いた。

ZOC 断捨離彼氏 T-Palette(2019)

 

ほっとけよって思っちゃう

――8月の終わりくらいにZOCを巡ってSNSがざわついていて。

大森靖子「あれは単に、私が1週間で全員のソロ曲を作っていたんですけど、にっちやん(西井)の曲を作るときに、にっちやんの人格が自分と違いすぎて、私が鬱になって。ちょっとテンパって、ずっと思ってたことをネットで言っちゃったんです。自業自得です! 私のミス。にっちやんの魂を受け取る器が私の肉体になかった」

西井万理那「あっはっは(笑)」

――Zepp Tokyoのワンマン用に全員分のソロを作ったんですよね。

大森「1年でZeppに行けるグループなんてないので、そこでステージをひとり占めできる機会が絶対にあったほうがいいなって思いついちゃったんですけど、9月9日まで1か月ないぞっていう時期で(笑)。曲は、私がその子のことを〈好き!〉って入り込まないと作れないんですよ。そうしてたら、世界に対して勝手に〈この子はこういう気持ちで言っているのになんでみんなわかってくれないんだ!〉ってなっちゃったんですよね。それでにっちやんの魂を抱えきれず、前から思っていたことをインターネットの世界に落としてしまった。申し訳ないことしたな」

西井「ウケる」

大森「文脈を見ないとわからないじゃないですか。こういう流れがあって、こういう言葉が出ましたということなのに、その言葉だけを見て叩く、みたいなことってよくありますよね。それで叩かれがちなメンバーがいたりする。そのシステムはおかしいよって言いたかったというのはあるんです」

――ファースト・シングルを出した後のZOCの拡がるスピードが早いので、それで生じてしまう勘違いとかもあるのかなと。

戦慄かなの「いろんな人に知ってもらえるようになるとアンチも増えるので。言うて、私たちは変わってないし、むしろメンバー内では団結力が芽生えたので。私の中では、いま、グループは最高の状態なんです」

西井「(美顔器を顔に当てながら)へー」

大森「なんなの(笑)」

西井「靖子ちゃんが朝くれた美顔器」

大森「お誕生日にあげたやつ。嬉しかったの?」

藍染カレン「さっきからずっとやってるね」

――とにかく、グループの状態はかなりいい。

戦慄「2枚目のプレッシャーもすごいと思うんですけど、がんばるぞっていう意識がめちゃピーク。それがみんな一緒なのが嬉しいです」

西井「1年経って仲良くなってきたからかも」

藍染「みんなの扱いがわかってきた気がする」

兎凪さやか「理解し合えてる。個性が強すぎて最初はわからないことばっかりだったけど、この1年でみんなのことがもっと好きになって、もっと気持ちが汲み取れるようになって、仲が深まりました」

戦慄「仲がいいとか悪いとかの次元を越してきた感じがある。ここしかホームがないし。不仲とかよく言われるけど、そういうのは全然ない……でも、不仲っておもしろくないですか?」

藍染「仲違いしてるのっておもしろいんだよ」

戦慄「おもしろいから想像で言っちゃうんですよね。そのフィルターで見てちょっとでも〈ん?〉ってことがあったら、〈きっと不仲に違いない!〉って関連付けて叩きますよね」

大森「もしケンカするとしても意外に真っ当な理由なんですよね。あいつはやる気あんのか、みたいな(笑)」

兎凪「でも、SNSだけ見てる人にはいろんなことを思われる。例えば私だったら〈ド性格悪いクソビッチ〉みたいな印象だから」

西井「マジでウケるんだけど」

兎凪「そう思われちゃうのはしょうがないのかなって。ZOCのことを知ったらそんなことはないって気付くはずだけど」

大森「仮想敵にしやすそうなところはあるよね。身の回りにいる誰かに似てるから、たぶんこういうやつだろうなっていう」

――それもこれもZOCを知る母数が大きくなったというのが大きいんでしょうね。それ自体はいいことなんですけれど。

藍染「悪いことを言われると目についてしまうんですよね……」

大森「カレンがいじめられっ子キャラになってるのがクソおもしろい。こんな気の強い女いないのに!」

藍染「ホントですよ。私、すごく気の弱い女と思われがちなんですよ」

大森「こんなプライド高い女がいじめられてる設定になってるっていう」

藍染「いじめられてないでーす」

――逆にいじめる側のイメージなのは?

戦慄「私! 意外にメンタル弱いのに(笑)。だから、それを逆手にとってネタにしたりしてるんですけど、それも叩かれたりして。これがネタってわからなかったら何言っても無理じゃんって思う。だからもう黙ります。ホントはみんなで一緒にご飯とか行くんですけど、それは逆にSNSには上げない」

――意地でも仲のいいところは見せない(笑)。

戦慄「仲いいアピールって思われるのも癪なんですよ」

大森「かなのちゃん可愛いね……」

西井「うん。そういうところが可愛い」

大森「その意味で言うと、かてぃがいちばん神格化されてるね」

香椎かてぃ「シンカクカってなんですか」

大森「こういう感じだよ」

戦慄「私は違うと思ったら反論するけど、かてぃは素直に謝れるんですよね。騒がせたことに対してすみませんでしたってすぐ謝れる。それは私には絶対にできない」

香椎「礼儀ですから」

戦慄「うるせぇよ(笑)。いい子なのが伝わるし、アンチも叩きづらいんですよね」

――言葉数が少ないほうがいい印象に見えるというのはありますよね。

西井「私なんて3週間くらいTwitter更新してない」

戦慄「にっちやんは言葉数関係ないと思う」

大森「最近、私もそれを理解して、言葉数を少なめにしてたんですけど、ついにいろいろ言っちゃったから〈神じゃなかったんですね〉ってめっちゃ言われました。でも私が神なワケないんですよ。だってオタクとキスして有名になったやつですよ?」

――そんなこともありましたね。

戦慄「ネットの人たちが言うアイドルと私たちのめざすところが違うというのもある。私たちは歌とダンスのスキルを身につけたいだけでがんばってるかって言ったらそうじゃないのに、そこだけをあげつらわれたりして。真剣にやってても真剣にやってないって決めつけられたりもするし。そういうので病んじゃうこともある」

大森「負けず嫌いだからね。歌とかダンスがヘタって言われたらシンプルに傷ついてる」

兎凪「本当にかなのちゃんのダンスを見たことあるんかって思います。飛び抜けてるのに」

大森「それぞれが自分を活かしたダンスをやるのがかっこいいよねっていうふうにしようとしてるんですけど、それって早すぎるんだろうなって思っていて。表面だけを見て〈揃えることもできないのか〉って言われたりするし、有名になっているぶんだけ言われちゃうのは申し訳ないなって思うけど、いつかそのかっこよさも伝わると思ってるので」

戦慄「応援してるバンドとかにさ、〈もっとうまくなったら応援するんだけど〉とか普通は言わなくない? 来てる人はこれを観に来てるんだし、来ないんだったらほっとけよって思っちゃう。もともと精鋭が揃ってるわけじゃないし、めざすところもそこじゃないし」

――そういう部分も新曲の“A INNOCENCE”の歌詞に反映されていますよね。そのあたりはのちほど訊くとして、大森さんから見てこの1年でメンバーが変わったと思うことはありますか。

大森「あります。ライヴ映像を見ると、この日はすごいっていうときもあれば、心が折れる瞬間とかがわかるんですよ。〈あ、1曲目で折れた〉みたいな(笑)。にっちやんがいない状態のTIFの映像があるんですけど、にっちやんとカレンの歌割りが多いなかで、それをほぼカレンが背負っていて。それを見た人から〈カレンしかやってないじゃないか〉って叩かれ方をしたんですね。私はその映像を見て〈かなのやる気じゃない?〉と思って、今回真ん中にしてるんですよ。だから感じ方が世間とはだいぶズレてるんだなとは思いました」

戦慄「感じ方は人それぞれだけど、できてないと思われるのはマジで癪だし、叩くならちゃんと見たうえで叩いてくださいって思う」

大森「でも、だからといって心がついていってないという印象はないかもしれない。意外に追いついてないなって思うのは、かてぃかも。かてぃはももクロが好きだからね。〈私はなんで『殺せ』って言ってるんだろう?〉って思ってるのかなって」

香椎「TIFの日はあーりん(佐々木彩夏)のステージを見た後に自分たちの出番があったんですよ。最初が“ZOC実験室”で、〈殺せ 殺せ 殺せ〉つった瞬間に自分が落ちちゃって」

戦慄「かっこいい曲なのに落ちないでよ」

香椎「かっこいいよ? かっこいいんだよ。でも、あーりんの後に……」

大森「あーりんは言わないからね(笑)」

西井「うちらZOCだもんね」

香椎「それでガーンって落ちたときのがYouTubeにポンって上がって」

大森「残念なときのステージの映像が上がっちゃった(笑)。あのあと、ずっとゾンビみたいになってたよね」

戦慄「アイドルへの理想が高いからこそ落ちたみたいなところがあるので、やる気がないわけでは全然ないんです」

藍染「かてぃは毎回そういう落差に悩まされてて可愛いなって思う」

大森「落ち込んだら、何が足りないなと思って、何をするんですか?」

香椎「全部足りないんですけど、まず前を見れないんですよね。顔のコンプレックスがあって。いまだに見られるのがこわいんです」

大森「でも、私も5年くらいかかってるからね。ずっと髪で顔隠してて」

戦慄「マスクつけてTV出てませんでした?」

大森「黒いマスクをグッと上げて出てたね。かてぃが見られるのはこわいっていうのは、逆にこっちから見ちゃえばいいんだよ」

西井「てか、私なんか前見てもなんにも見えないから」

――それは視力が悪いだけでしょ(笑)。

大森「なんで場位置を覚えてくれないんだと思ったら、数字が見えてないっていう」

香椎「コンタクト作ってよー!」

藍染「〈急にコンタクト入れたら感覚バグってステージが良くなくなっちゃうから〉って言うんですよ。最近発覚したんですよね。見えてないから立ち位置が違うんだっていう」

大森「なんでいつも違うんだ……あ、あいつ目が見えねーわっていう(笑)」

西井「気が向いたら(コンタクトを)作りたいですけどね。目の中に入れるのがこわいんですよ」

 

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