すでに話題騒然! 個々のさまざまな話題に加えて最高のデビュー・シングルを届け、平成も十代も余裕で捨てて俄に支配領域を拡大していくZOCから目を離すな!!
かねてからアイドルへの愛を表明し、実際に楽曲提供などを通じて多彩なアイドルと関わってもきたシンガー・ソングライターの大森靖子。そんな彼女が自身をプロデューサー兼メンバー兼同志を表す〈共犯者〉と位置付けて結成したアイドル・グループこそZOCです。選ばれたメンバーは、生ハムと焼うどんで名を馳せた西井万理那(APOKALIPPPS)に加え、いずれも大森が選考委員を務めるオーディション〈ミスiD〉出身者の藍染カレン、戦慄かなの、香椎かてぃ、兎凪さやか。大森のアルバム『クソカワPARTY』収録の“ZOC実験室”を前兆として昨年9月に初舞台を踏んだ彼女たちは、紆余曲折ありつつ平成最後の日に“family name”でT-PaletteからCDデビューを飾ったばかり。自己肯定を歌い上げるラウドで繊細なピアノ・ロック調の表題曲、サクライケンタ編曲のポップなカップリング“チュープリ”という収録曲は共に大森が詞曲を担当したもので、すでに話題の輪を大きく拡げつつあります。今回はそんなメンバーたちの横顔が窺えるインタヴューの模様をお届けしましょう。なお、取材は平成31年のうちに行われたものです(戦慄かなのは当日欠席)。 *bounce編集部
仲良くなってきた
——西井さんに以前〈APOKALIPPPSとどういう違いがあるんですか?〉って訊いたら、〈APOKALIPPPSはオアシス、ZOCは戦場〉って言ってたけど。
西井万理那「気まずい(笑)。でも、ZOCは仲良くなってきたなーって思う、最近(笑)」
大森靖子「ここ一週間くらい(笑)」
西井「前より戦場感は薄れてきてる」
大森「個人の活動がある人と、ZOCに賭けてる人で意識の差が生まれたりとか、ライヴ・パフォーマンスをがんばる人と、ネットでの活動をがんばる人だったり、ダンスがんばったほうがいいでしょって人がいたりだとか、MCをちゃんとやったほうがいいとか、それがバラバラなのが観てる側はいいんですけど、本人たちのこだわりとしては〈なんだ?〉って思いやすいんだと思います」
藍染カレン「当たり前にぶつかることは多いと思う。でも仲良くなってきた」
兎凪さやか「仲良いよー(笑)」
——取材前にも不穏な話をしてたじゃないですか。大森さんも大変な人たちを集めて。最初からある程度の覚悟はしてたんだろうけど。
西井「ここまでだとは思わなかった?」
大森「うーーーーーん」
一同「(笑)」
大森「ブロックし合うとか仲悪いとかはともかく、ステージに上がる気持ちとかはプロとしてやっているところなので、たまに〈ここから話さなきゃいけないのか〉〈あっ、これも言わなきゃわかんないやつか〉ってのはあります。まあ、一個ずつ言っていくしかない」
——大変な作業をやってると思いますけど。
大森「他の運営さんとか見てたら、ああいうふうにやったほうがいいのかなとか」
——もっと厳しく。
大森「〈お前ら、やる気あんのかー!〉みたいにやったほうがいいのかなとか」
——3時間くらい説教してるみたいな。
大森「で、15分くらいやって心折れて、〈あ、向いてない〉みたいな。〈まあ、そんな感じでがんばろっか!〉で帰っちゃう(笑)」
藍染「ほんまに言ってほしくなっちゃう。見ててどうなの?って思っちゃう時はある」
大森「たまに言います。個別に」
——説教されたいって子は意外にいますよね。
藍染「言われたいです。ちゃんと叱られたい」
兎凪「やだー。怒られたくないですよー」
西井「そういうとこだよ」
藍染「言ったほうがいい人ほど怒られたくないってとこありますよ(笑)」
——怒られたがってる人はだいたいわかってる人っていう。
大森「そういうとこはありますよね」
香椎かてぃ「さやちゃんもね、でも、心入れ替えてがんばるって」
兎凪「入れ替えたんですよ」
——何があったんですか?
兎凪「人間的にダメで、一瞬グレたんですよ」
藍染「悪いことしたとかじゃなくて心がちょっとグレて。でも軌道修正してまた1からがんばっていこうってなったんだよね」
兎凪「ただいまーって復帰しました」
——何があったんですか?
兎凪「うーん、グレたんですよ」
——わかんないですよ(笑)。
大森「バズってるメンバーがいるじゃないですか。いまのところライヴ・シーンでちょっとずつ活動して、ちゃんと地盤を作って、ってところからやってるんですけど、だんだん画像でバズったりTVに出るメンバーが出てくるなかで、自分もそのスタンスを真似したほうがいいのかって思っちゃったりして」
——そうか、悪そうな方向でバズってる人がいるから。
大森「カレンちゃんがかてぃの自撮りを真似しだしたり、さやぴがちょっと強い口調になっちゃったりして、〈それ違うんじゃね?〉ってちょっとずつ気付くって作業の繰り返しです」
——大変ですね、そういうところもまず管理しないと。
兎凪「この間、新大久保で靖子ちゃんとかてぃと3人でご飯食べて大号泣しながら語り合ったんですよ。で、改心しました。私が間違ってました」
——羨ましく思っちゃったんですか?
兎凪「羨ましくなっちゃったんですよ。ヤバい、どうしようって。自分も強くなれば行けるって思っちゃったけど、行けなかった」
——行けないでしょうね。
大森「全員がTVとかで取り上げてもらってるみたいな強いキャラなわけではなくて、バランスが取れているから成り立ってるものを、ああいう感じでバズってるからああいう感じにしなきゃいけないんだって、他のメンバーが思っちゃうのはあると思うんですけど、にっちゃんはそういう時にどう思ってるんだろ?っていつも思う」
——西井さんはいろいろあったからマイペースですよね。
西井「メンバーがバズってるの見て、マジZOC入って良かったなーって思って。グループだからさ、相乗効果じゃない。一人でも多くバンバンバズったほうがいいじゃん。だからZOC入って良かったなーって」
——やっぱり一回苦労してるといいですよね。そういう視点が出て。
西井「それはそう」
ここに懸ける思いはある
——今回は急なCDリリースですけど、平成のうちに間に合わせたかった?
大森「そうですね。歌詞に入れちゃったんで。でも、“family name”の楽曲渡した時に、みんなけっこう泣いてくれてて、そういう感性のある子たちで良かった」
藍染「いまの私たちの等身大がそれぞれ違う方向からの歌詞にめいっぱい散りばめられてるから」
大森「そういうの、作家として嬉しいなって思っちゃった。歌詞とかも響いてくれて。にっちゃんは覚えてないけど(笑)」
西井「私も感動した! めっちゃ感動した!」
兎凪「にっちゃんは〈これは売れる〉って(笑)」
——視点が一人だけ違う(笑)。こういう曲をやりたいとか皆さんからもあるんですか?
大森「可愛い曲を歌わせろだの、盛り上がる曲を歌わせろだの、うるさいです。戦慄とかはカヴァーよりも自分たちの曲をやっていきたい、カヴァー・アイドルと思われたくないっていうのは言い出していて。地下アイドルとかライヴ・アイドルをアイドルとして見てる世代なので、周りのアイドルさんを見て、ああいうのをやりたい、こういう曲がいい、とか」
——そういうリクエストがくるんですか?
大森「ああ、そうなんだ、って。可愛い曲を歌いたいというのはわかるので、ちょっと幅は作ろうかなと思ってます」
——特にカップリング“チュープリ”がZOCっぽいなと思った。ZOCって良くも悪くもめんどくさいじゃないですか。めんどくささを抽出した曲。
大森「そうですね。性格そのまま出してる感じ」
兎凪「セリフが超かわいいんですよ」
——可愛いというか、めんどくさい。
兎凪「超お気に入りで。あれ、まんまさやかですよね。常に言ってる〈ねぇ、さやの好きなところ言って〉って」
大森「セリフは当日に、〈さやに好きなところを聞かれたらどう答える?〉ってみんなに訊いて回ってそのまま書いて(笑)」
兎凪「あれのセリフがいちばん個性見える気がする。言ってることがまんまだから」
——西井さんとかすごく西井さんらしかったですもんね。
西井「靖子ちゃんに急に訊かれて答えたら、それセリフにするねって。あんな適当なのに」
大森「かてぃは〈おっぱいおっぱいって言ってね〉って言ったら、自分でクォリティーが気に入らなかったらしくて、(だるそうに)〈あー、おっぱいおっぱい〉って(笑)」
——皆さん今回のCDデビューについてはどうですか?
藍染「ZOCはライヴを始めてからずっと大森さんの曲でやらせてもらってたから、まず自分たちオリジナルの曲が出るのが嬉しいし、始まってから半年経って、ここまで待ってくれてる人たちがいるんだってことがすごく嬉しいし、ステージに立てることがすごく嬉しい」
兎凪「ZOCでの曲というのがすごく嬉しいし、これを機にもっともっとZOCが上に行けるように、自分たちもがんばらなきゃなって改めて思いました。がんばります!」
香椎「CD出して、どういう結果になるかわからないですけど……嬉しい。言葉が出てこないけど、めっちゃ嬉しい」
西井「ちゃんとこうやって撮影して、ちゃんと衣装作ってやるのって意外と初めてで。生うどんの時はMVなんて一回もなかったから」
——大森さんとのコラボだけで。
西井「本当にあの一回きりしかないから、これで始まった感はある。やっと自分のグループでこういうの出せるときが来たなーって、すごく思います。しかもお金もけっこうかかってるっすよね、きっと」
大森「自分のグループだからね、納得するようには作ってる」
——Tパレの予算的にはけっこう厳しいですよね。
藍染「ハードル上がってます(笑)」
西井「みんなにガチで買ってもらわないと」
藍染「誰かがやらかしてZOCが解散になったらどうやって回収しよう……」
西井「大問題、それは」
——危険なメンバー多いですからね。
西井「ありえるから全部。ないことはなさそうだから怖い」
——ある程度は強そうなグループだと思いますけどね。スキャンダルとかでは崩れないと思いますし。
大森「そうですね、それは別に何とも思わないですね。仲悪いから辞めようとかもないんじゃないかなって思います。みんな簡単に人生がうまくいってきた人たちじゃないし、ここに懸ける思いはちゃんとあるので」
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