リニケール・バロスの、性的マイノリティーや社会/政治問題に思慮深く触れる詩とアフロ・バイーアやアメリカのソウルをベースにした独創的サウンドで今やブラジル・クィア・ミュージシャンの中心的存在となったオス・カラメロウスによる傑作セカンド・アルバム。アフリカやキューバの音楽、レゲエ、ジャズなど多様な要素を織り混ぜる実験性、多彩なコーラスワーク、それらを木管、鍵盤、ドラムによってしっかりとまとめあげるセンスと何から何まで素晴らしい。そこに乗るリニケールの亜熱帯ヴォイスがまたソウルフルでポップなメロディと相まって魔力的に耳を惹き付けてやまないのだ。