打ち込み→バンド・サウンドへと不敵に切り換わる冒頭曲“FINE MAN ART”からキレキレの6作目。もはやマイノリティーであることを恐れていないようで、“LIKES”では〈誰かが大嫌いだって蔑もうが僕は好き〉と前のめりに歌う。友人の結婚式の余興で披露したというダンス・ビートの効いた“YOKYO”、我流のEDMが炸裂する“WOULD YOU LIKE A HENJIN”、変態性大開放&組曲の如き“少年Dの精神構造”。どれもヤバい。
通算6枚目のフル・アルバム名は〈着陸船〉を意味する『LANDER』。リード曲の“HOME”は、陽気なサウンドの中に、ちょっぴりの哀愁とほっこりとした懐かしさが滲むポップ・ソング。結婚する友だちへ向けた“YOKYO”は、クスリと笑わせつつ、感謝と祝福の気持ちがたっぷりに溢れている。打ち込みが光る “WOULD YOU LIKE A HENJIN”や、タイトルからしてトリッキーな“少年Dの精神構成”があるかと思うと、“アフターイメージ”“矢文”では爽やかに胸をキュッとさせてくる。“コウシン”は、漢字を当てはめないからこそ、あらゆる意味の〈コウシン〉をはらんでいて、今までの自分をすべて抱えながら前に進める力強さがある。ひねくれているのに真っ直ぐに心に届く、それがSAKANAMON。