みんなが恋に落ちた(?)プー・ルイの10年をアルバム作品で振り返ってみよう!

〈これぞ!次世代サイバーエモ!!〉との惹句も躍るファースト・アルバム。ヴォーカル加工などはテクノ・ポップな時代背景も窺わせるものだが、ロックが芯にある松隈ケンタのサウンドはこの頃から独自色を備えている。U2風の“You too”や名バラードの“One day”は彼女自身が作詞しているほか、JxSxKや竜宮寺育も参加。

プー・ルイの発案で結成されたアイドル・グループの初作。彼女が作詞した“Give me your love 全部”を筆頭に、“nerve”や“太陽のじゅもん”“レリビ”などの人気曲を、後のSCRAMBLES構成員たちが彩り豊かなアレンジでまとめている。ソロでもやっていたSPANK HAPPYのカヴァー“エレガントの怪物”も収録。

メジャー・デビュー後のセカンド・アルバム。刹那的な美意識に溢れた屈指の名曲“primal.”やラウド路線に振り切った“IDOL”、ポップ・パンクの“PPCC”など、ロック主体のサウンドによって当時のシーンにおける過激派としての存在感を確立した。トランシーな“ASH”で映える伸びやかなプー・ルイの歌唱が聴きもの。

同年の解散を前提として制作され、デジタル・ハードコアにまで及ぶラウド~ミクスチャー系の意匠がメンバー各々の個性的な歌唱を輝かせた(この時点での)ラスト・アルバム。ゴリゴリながらも開放感のある“nasty face”はプー・ルイが作詞。JxSxKが作詞した松隈渾身のピアノ・エモ名曲“Hide out cut”もここに収録。
もともとBiSの解散前に松隈らと結成したLUI◇FRONTiC◆松隈JAPANを前身に、改名~メジャー・デビューしたバンドの唯一のフル・アルバム。メンバーのテンペスト竹内と小原 just begunが作曲、プールイが全曲を作詞しており、苦悩を吐露する“スマッシュヒット”やファンキーな“ワンダーループ”などが聴きどころだ。

バンド活動を休止(後に解散)したプー・ルイが再始動した2期BiSのデビュー作。過去曲の数々をSCRAMBLESのリアレンジで再録したほか、プー・ルイ作詞の“Not Special”など新曲も収録されている。なかでも彼女がリスタートへの思いを綴った“BiSBiS”は多くのメンバーにとって特別な意味を持つ人気曲となった。

前作から3か月のスパンで登場した2枚目のアルバム。痛みを伝える名曲“gives”やプー・ルイ作詞の“NOT the END”など哀感強めなナンバーが並ぶなか、彼女が作詞したもう1曲、“ロミオの心臓”はこの体制での最良の瞬間を記録する温かい逸曲となった。この後2枚のシングルを経てプー・ルイは卒業を選ぶことに。

BiS卒業から数か月後、YouTuberとして活動再開する一方で、〈NOT IDOL〉なグループに電撃加入。これはプー・ルイ合流後の再録ベストで、パワフルで支配力の強い歌唱力を誇る面々に混じって奮闘している。初期BiSメンバーのトリオで送る“どうせ消えてしまう命なら...(BI$ Edition)”がやはり聴きもの。

5人では最初で最後となったオリジナル・アルバム。当時の勢いを物語るように威勢のいいカラフルな楽曲が揃い、プー・ルイ作詞によるユーロビート調の“シンデレラ アンセム”は新しい彩りになった。もう1曲作詞した“バイバイ ロンリネス”では〈メガネ〉との訣別も綴っているが……この後3枚のシングルを残して解散に。