かのベッキーが死神のようにバールを持ち啖呵を切る図! いかにもな三池崇史映画のように見える。盟友タランティーノの初期作品を思わせるヤクザや中国人マフィアたちのヴァイオレンス映画。内野、大森、染谷、ベッキーらが愉しそうに〈ワル〉を演じていてるのだが、キャラクターが空回りする一歩手前で抑制する三池のバランス感覚が絶妙で、出てくる役者たちが皆素晴らしい(特に藤岡麻美の佇まい!)。一方で犯罪に巻き込まれる窪田と小西による三池初のラブ・ストーリーというのも本当に本当! 終幕の素晴らしいロング・ショット! じわりと泣けるなんてことが三池映画で味わえるとは!