レオンスカヤの演奏は、聴き手の心情にそっと寄り添うかのように語りかけてくれる。長きに渡って音楽界を担ってきた巨匠が奏でるシューマンの調べ。5月にEaSonusレーベルから、2017年に録音された『シューベルト:初期ピアノ・ソナタ集』が発売されたばかりだが、早々と同レーベルから新作がリリース。“アベッグ変奏曲Op. 1”を始めとする小作品数と2曲の“ピアノ・ソナタ”。小作品では、流れるようなタッチで静寂を感じさせる表現力と共に、一方で力強いタッチで1曲1曲弾き分ける技巧力は聴き手を唸らせる。“ピアノ・ソナタ”での演奏は、終始聴き入ってしまう見事と言える音楽が広がっている。