ある種の物語性を喚起するメロディアスな作風は健在。主に中国地方で活動するピアノ・トリオが届けたサード・アルバムは、先行配信の“Cats In Boots”やEP収録曲も交えつつ、クールな“Dancers Blues”での幕開けから緩急自在にひとつのノスタルジックなストーリーを浮かび上がらせてくる。奔放かつスリリングな“Comfort”までの展開が示唆的なタイトル曲へ流れ込んでいく終盤の穏やかな風情がとりわけ美しい。