レ・プレイアード(Les Pléiades)『ベートーヴェン:交響曲第6番“田園”』弦楽六重奏の鮮やかな演奏でかけがえのない幸福感を引き出す

LES PLÉIADES 『ベートーヴェン: 交響曲第6番「田園」 (弦楽六重奏版)』 NoMadMusic (2020)
2020.10.29

ベートーヴェン生誕250年を飾る幾多のディスクにあって、特に記憶にとどめたい一枚。時代楽器演奏で画期を拓くロト率いるレ・シエクルのメンバーによるアンサンブル、弦6人の“田園”。同時代のミヒャエル・ゴットハルト・フィッシャー(楽聖の3歳年下)の編曲。6人の演奏がもたらすダイナミクスや緩急、呼吸感、様式感といった要素が実に鮮やかで精彩に富み、まさにロトとの活動で培われた核心の発露が圧巻だ。第2楽章や終楽章の嵐の後など、原曲が蔵するかけがえのない幸福感が聴き手を親密にとりかこむ。併録のシェーンベルクの弦楽六重奏版“浄夜”は一転、濃厚かつ微細なニュアンスが冴え、当盤の魅力を倍増する。

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