現代版ビッグ・ブラザーとも言えるSNSが発達した昨今、アーティストという表現活動をしながら匿名性を保つというのは難しい。が、そんななかでこのビッグ・アニマル・セオリーは音でオリジナリティーを発揮しつつも本人は匿名性を保っている。ハドソン・モホークやティーブスのようにエレクトロニカとヒップホップを横断する自由なサウンド・デザインはもちろん魅力だが、謎めいた存在もまたこのアーティストの魅力を際立たせている。