テキサス出身の新人SSW=Katy Kirbyのデビュー作を聴いたとき、今年のインディー・フォーク・シーンも面白いものになると確信した。幼少期は町の教会の聖歌隊の一員として歌っていたことがある。そんな彼女の歌声は小鳥のさえずりのようにフォーキーで優しく、寄り添うようなアコースティック・ギターとの音色に思わずキュンとしてしまう。一方で『Cool Dry Place』はMitskiやJulien Bakerのように激情的にギターを掻き鳴らす部分には、90年代のオルタナ・ロック・アーティストを彷彿とさせる。この塩梅の良さが堪らなく、彼女の持つ音楽のヴァリエーションに今後も楽しみだ。全てのインディー・ファンに是非手に取ってもらいたい一枚だ。