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インタビュー

印象派『スプートニク』テレパシーで繋がる東京と大阪のOL2人、いろいろあった3年間を語りつくす

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miu
photo by あの三谷
 

miu、お母さんになる

――その後、2018年後半から2019年はあまり表立った活動はされていませんでしたが、何か理由がありますか? miuさんは2018年12月9日に〈ようやく新曲MVの打ち合わせをしました。めざせ春リリース!〉とツイートされていますが、その後、2019年の1月から6月まで半年近くmiuさんのツイートもなく、次にMV撮影をしているのは2019年12月26日です。後のツイートでは〈冬眠してた〉ともおっしゃっています。

miu「分析すごい! まさにダンマリ期間真っ只中の2019年4月に赤子を出産しました。産後すぐに印象派の活動に戻るつもりが、はじめての育児に没頭してしまい、気がつけば冬。真冬に“常温じゃない関係 [2020 TOKYO MIX]”のMVでの、ノースリーブでの撮影はつらかったです! さらにコロナ、て感じです」

mica「生まれてからメンバー全員で会いに行ったんですけど、〈おまんじゅうの妖精みたいでしょ?〉と言っていたmiuが印象的でした」

――そうして2019年12月に撮影された“常温じゃない関係 [2020 TOKYO MIX]”のMVが2020年2月14日に公開されました。これが音も映像もめちゃくちゃカッコよかったです! 原曲は先ほどのワンマンの〈お土産CD〉にも収録されていましたが、[2020 TOKYO MIX]になって大幅に変わりましたよね。[2020 TOKYO MIX]になった理由と、具体的にどういうところを変えたかを教えてください。

『スプートニク』収録曲“常温じゃない関係 [2020 TOKYO MIX]”
 

miu「嬉しい! [2020 TOKYO MIX]は(東京・麻布十番にある)studio Fineの玉乃井さん(玉乃井光紀)にリミックスしていただきました(配信されている原曲ヴァージョンはスタジオクーパーの永田進さん)。今回の音の質感もすごく気に入っています。アウトロのギター・ソロは、オリジナルは前田さん、[2020 TOKYO MIX]はテッシーが弾いてます。ミックスの音像も含めオリジナルは70年代風、〈2020〉は近未来風、ってイメージです」

mica「MV撮影は真冬に露出して水を吹きかけられるという苦行でしたが、杉本晃介監督にカッコよく仕上げていただき、とてもお気に入りです」

――そして、“常温じゃない関係 [2020 TOKYO MIX]”のMV公開と同時に、約2年ぶりとなるライブ〈印象派展vol.5 やや復活祭〉の開催が発表されましたが、残念ながら後にこれはコロナの影響で中止になってしまいます。当初アルバムはここでリリースする予定だったそうですが、それがこの今作『スプートニク』だったのでしょうか?

mica「その通りです。新しいアルバムを引っさげて、2年ぶりにライブするぞー!!ってかなり気合い入れてたんですけどね……。コロナに足止めされちゃいました」

――2020年4月22日には2年ぶりとなる新曲“WANNA”が配信でリリースされました。これがまためちゃくちゃカッコよかった! 待ってました! この曲はどんな曲でしょうか?

『スプートニク』収録曲“WANNA”
 

mica「印象派はバラードからアップテンポのロックまで、曲の振り幅がかなり大きいですが、私の中では、これぞ印象派って感じの曲。絶対ライブで盛り上がるやつやん、て思ってます。早くライブでみんなに〈ワナワナ〉言わせたい」

miu「micaちゃんが言ったように、2年ぶりの新曲なので珍しく構えて、作る前から意図的に〈印象派らしさとは?〉を考え抜いて取り組んだ曲です。イメージは“BEAM!”(2014年のミニ・アルバム『(not)NUCLEAR LOVE(or affection)』収録)の続編。社会に仕掛けられてる〈WANA(=罠)〉をテーマにしたかったのですが、私自身ががんじがらめの罠にはまり、歌詞の制作は半年ほどぶっ止まりました。いよいよレコーディングも近くなってきて、テーマを〈WANNA(=求・欲)〉というポジティヴな形に変換したところ、サビの〈快速急行銀河〉という言葉がピカーンときて、あとはわりとすらすら進みました。

ミュージック・ビデオを担当していただいた杉本監督に曲のイメージをお伝えすると、同じテーマで映像を作ってくださいました。杉本監督曰く、MVの物語的にも“BEAM!”の続き、また“檸檬”(2017年)の少し前の話になっているそうで、“SWAP”、“MABATAKIしないDOLLのような私”(ともに2013年)のMVに登場したキャラクターも出てきたりして、見所満載の映像に仕上がってます!!」

――続く2020年6月24日には新曲“魔法”を配信でリリース。すごく感動的な曲で、MVもジーンとくる映像で、個人的にはこのMVを見るとちょっとウルッと来てしまいます(そしてこの時結成10年だったそうでおめでとうございます!)。この曲とMVは、どういうものに仕上がりましたか?

『スプートニク』収録曲“魔法”
 

mica「miuが産後に初めて書いた曲で、こどものことを想っています。そんな曲なのに私が全編歌うという大役を任されてしまい、とにかく難しかった。表現するのも、感情の乗せ方も、メロディー自体も。〈きみがあるいていく、それこそがまほう〉。良い歌詞だよね〜。ぜひ歌詞を見ながら歌ってみてください。なんかウルっときちゃうはず。

MVでは、ゆかりのある場所やお世話になった方々を前田ディレクターが私たちにサプライズで全国に飛んで撮影してくれて、〈私たちこうやって10年も活動してきたのかあ〉と改めて実感させられて、観た時は泣けちゃいました」

miu「何気ない幸せってきっと誰の人生の周りにも浮かんでいるもので、何気ない一日こそが魔法、そんなことを表現したかったのですが、でも現実には暗闇の中、赤子の夜泣きに途方に暮れながら浮かんだ曲。Twitterで〈歌詞をよく読むと、でもこれは深夜の歌なんですね〉って言われて、〈鋭い!〉と思いました。曲調はただただオーガニックで、ひたすらシンプルな曲に憧れて、そんな曲を目指してたのですが、バンド・メンバーとアレンジを重ねるうちに、印象派史上もっとも転調しまくる曲に仕上がりました。でもそこが印象派らしいかな〜と思ってます」

――miuさんは2020年を振り返って、〈水面下でこそこそもがいた一年でした〉とツイートしています。どんな一年でしたか?

miu「表立った活動はできなかったけど、リモートで制作や打ち合わせをしたり、今後の活動のことを考えたり、メンバーと話をしたり、結果、印象派といっぱい向き合った年だったように思います」

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