2005年生まれの20歳で、すでに来日も経験している最注目ブレイク・アーティストのファースト・フル・アルバムがついにフィジカルでも登場した。どうしても斬新さやフレッシュさで打ち出されがちな昨今の世の中ではあるものの、大御所のトニー・バーグが共同プロデュースにあたった作品そのものの内容は、一面的な若さや表現の新奇さに寄りかかる部分もなくオーセンティックな魅力をまずしっかり備えている。そんな空気感や品格も含めてスターの風格は十分といったところだ。重厚なベッドルーム・ポップも人間味あるバンド・サウンドも心地良く、なかでもニューウェイヴ・ディスコの“12 to 12”がしなやかで最高!