Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣の5人が、トキめいた邦楽曲をレコメンドする週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉は毎週火曜(歌謡)日に更新中。先週が祝日につき二週間ぶりの更新です。紹介した楽曲は下記SpotifyとYouTubeのプレイリストにまとめているので、併せてお楽しみくださいね。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

Spotifyのプレイリスト
 
YouTubeのプレイリスト

 


【天野龍太郎】

月町蛍光灯 “夜行列車”

SoundCloudで不思議なシティ・ポップ作品を発表していた蛍光灯さんが、〈月町蛍光灯〉としてLocal Visionsからアルバム『やさしい夜の幻想』をリリースしました(今回も記事を書けていなくてごめんなさい!)。液晶画面に浮かび上がる、イマジナリーなネオン街と高速道路。ポスト・チルウェイヴ/ヴェイパーウェイヴ的な感覚で編まれた、夢見心地のディジタル・シティ・ポップ。すごい。

Local Visionsとlightmellowbuによるイベント〈Yu-Koh β版〉は2月22日(土)と23日(日)の2日間開催されます。詳細はこちら。行かなかったことを後悔するライブやイベントってけっこうありますけど、〈Yu-Koh〉もそういうものだと思います。注意事項を読み、みんなで遊びに行きましょう。

 

岡田拓郎 “Morning Sun”

ちょっと前に発表された曲ですが、当連載で紹介し忘れていました。『The Beach EP』(2018年)以来の、岡田拓郎の新曲。カチカチというハイハット(?)やスネア・ドラム、バス・ドラムのくぐもった響き、2分46秒あたりで聴けるノイズ……。シンプルなフォーク・ロックのようで、音とアレンジメントに対する過剰なまでのこだわりや繊細なデザインを聴ける一曲。最近、彼がBancdcampで発表しているドローンやインプロヴィゼーション、アンビエントな蔵出し作品群もおすすめです。

 

湯浅湾 “ひげめばな”

昨年12月にリリースされた湯浅湾の10年ぶり(!)のアルバム『脈』。先日ようやくCDを買ったので、よく聴いています。アルバムのなかでいちばん強烈なのは13分超の“望まない”ですが、ここではビデオがあるオープニング・ナンバー“ひげめばな”をご紹介します。〈人間の仕事は/せこくてずるい〉。ほんとそうですね。リズム&猫。猫&ブルース。この曲の7インチ・シングルや『脈』と前作『港』(2009年)のアナログ盤も販売されているようです。ほしい。

 

藤原さくら “Twilight”

沖メイさんがコーラス・アレンジを担当し、Yasei CollectiveとGENTLE FOREST JAZZ BANDの面々が演奏している藤原さくらさんの新曲。オールド・タイムなニューオーリンズ・ジャズのかおりがする、軽やかなポップ・ソング。

同時にリリースされた“Ami”には、ayU tokiOこと猪爪東風さん、ミツメの須田洋次郎さん、COME BACK MY DAUGHTERSの渡辺将人さんが参加。超いいメンバーで、渋いけどさわやかなロックをやっています。そちらもぜひ。

 

関口シンゴ “North Wing”

最高傑作と言っていいセルフ・タイトルド・アルバムを発表した、絶好調のOvall。バンドのギタリストである関口シンゴさんの新曲は、ギターとブレイクビーツとが絡み合っているというよりも、その2つが一体となって情景を描き出している曲だと感じました。3月25日(水)にリリースされるコンピレーション・アルバム『Lo-Fi Hip Hop, Soul from origami PRODUCTIONS -Pray for Australia-』から。

 

dodo “friend”

dodoの新曲、出ました。友だちってなんだろう?

 

BIM “Runnin’ feat. kZm, SIRUP”

ニューEP『NOT BUSY』から。リリック・ビデオですが、アニメーションがかわいい。“Wink”のほうも併せてどうぞ。

 

Ms.Machine「Valentine’s Secret gift」

Ms.Machineからヴァレンタインの贈り物。最近ライブを観に行けていないのですが、どんどんヘヴィーになっていませんか。“Girls don’t cry too”は本当にすばらしい曲だと思います。

 

【田中亮太】

なかむらみなみ “kokodoko”

ロスカとのコラボも話題になったなかむらみなみさん。この曲では、南アフリカ発祥のダンス・ミュージック、ゴムのリズムに乗って、軽快にホームレス時代(!)の心情を歌っています。家がない=どこでも家になりえるわけで、そんなタフさを見習いたい。

 

Kent Valley “Blueworks”

Turntable Films/Superfriendsの手練ベーシスト、谷健人くんが新たにはじめたソロ・ユニット、Kent Valley。甘やかな歌声 × 爽やかに駆け抜けるリズム=AOR……ではなく、ヴァン・シー“Kelly”(のシングル・ヴァージョン)みたいなベッドルーム・エレクトロに仕上げたところに、彼のセンスが爆発していると思います。

 

yellow gang “difference”

拳突き上げ系スカ・パンクの名曲。ヒロくんが嬉しそうでいい。〈MATSURI 2019 THE REVENGE〉、楽しみにしてます。

 

【高見香那】

Awich “Poison feat. NENE”

この連載でも何度も取り上げているAwich『孔雀』より。最強・最狂なふたりによるナンバーがミュージック・ビデオに。早朝に撮影されたらしいネイキッドな乗馬シーンが神々しいです。

 

ビッケブランカ “Shekebon!”

なんかいつも気になるお人・ビッケブランカからのバレンタイン・ギフトは、来月リリースのメジャー3作目『Devil』からの一曲。“Ca Va?”系統のハイテンション曲で、ライブ映え抜群でしょう。

 

女王蜂 “BL”

明日にリリースを控えるニュー・アルバム『BL』の発売記念ライブ配信が今夜22時から行われるとのことで、スタンバイしております。アルバムは全曲完全新曲で構成されているようですが、唯一公開されている上記楽曲がかっこいいので期待(どこかBLACKPINKのあの曲を思わせますね)。

 

【小峯崇嗣】

SARM “Muscari”

唯一無二と言っていいほどのソウルフルでハスキーな美声をもつシンガー・ソングライター、SARM。この楽曲はファーストEP『I don’t wanna do』に収録される曲で、彼女の歌声とジャジーでヴィンテージなサウンドのマッチングがたまらないです。

TOWER DOORSからメール・インタビュー〈6つの質問〉を行っていますので、気になった方は併せて読んでみてください!

 

神様クラブ ”ふつうのれんあい”

陽(HARU)と周(AMANE)による音楽ユニット、神様クラブの新作『JURA』収録の1曲。変則的なエレクトロニック・サウンドとビートのイントロ・トラックに開始1秒も経たずに虜に。そして全編のポップ・サウンドが素晴らしいので、ぜひチェックです。

 

【酒井優考】

Ohuro “bad toy”

2月7日にリーガルリリーのインストア・ライブを観にタワレコ渋谷店へ行ったついでに売り場をウロウロしていたら、フライヤー置き場に不穏なジッパー付きビニール袋が。なかには手書きの曲目リストと手書きのお手紙、そして手作りのCD-R(これ置くのにちゃんと許可取ったのかな~)。試しに河原のエロ本感覚的怖いもの見たさ(超失礼)で手に取って聴いてみたら、音も歌も手作り感満載なんだけど、意外や意外、悪くない気だるさやいなたさがあって良かったんです。ダウナーだけど気持ち悪くはない。ゲームだったら絶対毒タイプの技を持ってるけどいい人キャラ。どんなアーティストか気になってTwitterアカウントを見てみたらフォロワー数が5(執筆時点)。というわけで、Mikikiはフォロワー5の人もフォロワー100万のアーティストもなにか良いところばあれば並列にピックアップします、というスタンスを込めてまず最初に紹介させてください。河原のエロ本から目覚める性癖だってあるはずだよね(どうやら同じインストア・ライブを観に来てたっぽい、いい趣味)。

 

パスピエ “まだら”

うわー変な曲だ! パスピエの変な曲最高! なんだこの情緒不安定な転調の位置!

 

印象派 “常温じゃない関係 [2020 TOKYO MIX] ”

去年はあまり動きのなかったテレパシー・ユニットが、今年は何やらいろいろやってくれそうで楽しみです。

 

meiyo “溶ける青春 - Solo Edition”

先日友人が会話のなかで〈meiyo聴いてると幼少期を思い出して切なくて懐かしくなる〉的なことを言っていて驚きました。meiyoが浸透してきてるし、何よりその感覚、わかるよ! たぶん〈こういうところが切ない〉って理解できる人と理解できない人がいて、さらにそれを音楽で再現できる人とできない人がいるんだと思います。meiyoはそれを完全にひとりで作れちゃうからすごい(そして、ソロ・エディションということは……?)。2番にはなんか流行っぽいビートも取り入れてますね(笑)。

 

Awesome City Club “ブルージー”

なんか最近の渋谷の街は変わりすぎててビックリします。新生ACCの2曲目は、そんな変わりゆく街と新章に突入したACC自身が重なるいい曲&いいMV。シティポップの線で語られることが多かったACCが、そこから脱却して、そこからさらに一周回って改めてシティのポップになったような感じがします。

 

ジオラマラジオ “絵空模様 / TOKYO ACOUSTIC SESSION”

ジオラマラジオがTOKYO ACOUSTIC SESSIONに登場。一緒に公開された完全ギター弾き語りの“honey / なんて傲慢な…!”も含めて、いろんなスタイルでパフォーマンスできて、どれも良さが損なわれてないというのは、やっぱり原曲が良いからだと思います。ふくろうかわいい。

 

KALMA “これでいいんだ”

前2作から聴かせていただいていて、自分で原稿も書いたし他の人の原稿も読むなかで、どうしても〈青春〉とか〈青臭さ〉とか〈切なさ〉といったキーワードで語られることが多かったけど(自分の原稿にも頻出ワードです反省)、この曲を聴いたら、それらの要素ももちろんありつつ、ただの〈青春パンク〉一辺倒から一皮剥けようとしている気がします。そこがいい。

 

King Gnu “どろん”

『Ceremony』はたしかに素晴らしいアルバムでした。もう全曲シングルでもいいモンスター級の曲ばかり(この曲もそうでしょ?)。けど、完全無欠すぎて、それでよかったのかなって思ってる自分がいるのも事実です。

 

限り限りの限り “心の大・仏・開・放”

元Bell Boyの櫻壮一郎と八十八ヶ所巡礼のkenzoによるSAKURAKENZOに、元キングヌラリヒョンのベーシスト川原口誠が加わって昨年〈限り限りの限り(ぎりぎりのかぎり)〉に改名。そして発表されたMV第1弾。突き刺すような櫻の高音ヴォイスと、サビ(っていうのかコレは? 煩わし⤴い⤴ぜ)のメロが聴けば聴くほどクセになってきて超いいいい。

 

ザ・リーサルウェポンズ “昇龍拳が出ない”

Mikiki編集部に自分以外にもおふざけのわかるギャグ担当の人欲しいよな……。

 

SEGA SOUND TEAM『Jet Set Radio Future SEGA Original Tracks』

ゲーム繋がりってことで無理やり続けると、18年前にリリースされたゲーム音楽界最高峰のサントラが(惜しくも全曲ではないけれど)先日ストリーミングでようやく解禁されました。長沼秀樹さんのサンプリング感ってグラフィティ・アートと相性がいいし、近未来感もあるし、聴いてるだけで未来のシブヤを生きてるような気分になります(でも18年前の近未来なのにまだ現実は追い付いてないね)。ゲーム音楽かくあるべしって感じで『スプラトゥーン』他、後続の作品に与えた影響もデカいと思います。テレビ番組でもいまだによく使われてるし。

 

MASS OF THE FERMENTING DREGS+SuiseiNoboAz “ハイライト”“E.O.W.”

スマホとかPCとかでは再現・再生できない音というものがあるんです。この日は本当にヤバかった。

 

純猥談「触れた、だけだった。」

最後に……10分ちょいのドラマなんですが、まあちょっと内容についてあれこれ言うのは置いておいて、サウンドプロデュースがken akamatsu氏(Words Studio Japan/チャンポンタウン)なので、ぜひ音にも注目して観てみてくださいよ(主題歌はCRAZY VODKA TONIC)。いろいろあるんだよ、人生には。