クラシック専用のコンサートホールの音響設計担当者として頻繁に目にする名前が豊田泰久氏。音響設計という仕事内容について、豊田氏の仕事ぶりを通して追求したのが本書。東京のサントリーホールの他、札幌、川崎、ロサンゼルス、サンクトペテルブルク、パリ、ベルリンなどホール建設を通して、演奏家・建築家・建設発注者とのコミュケーション能力こそ音響設計者に求められるもので、どれが欠けても成立しないことがわかる。その上で音響設計家の敏感な耳、直感が必要になる。ゲルギエフ、バレンボイム、ラトル、ヤンソンスといった名指揮者の響きに対するこだわりも興味深い内容だった。
「響きをみがく」サントリーホールほか世界の名ホールの音響を手掛けた豊田泰久の業績から音響設計の仕事に迫る
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