オーケストラ好き必読! サントリー、ウォルト・ディズニー、エルプフィルなど、世界の名コンサートホールの音響設計を手がけてきた豊田泰久と、音楽評論家の林田直樹の対話集だが、両者がホールの音響を通じて今の音楽界について本音で語り合っているのが実に面白い。「残響時間というのはウィスキーのアルコール度数のようなもの」「オーケストラに好かれる指揮者=いい指揮者ではない」「偉大なオーケストラ・ビルダーが『シンデレラ・オーケストラ』(短期間に飛躍的に発展したオーケストラを指す豊田氏の造語)を生む」など、「なるほど!」と腑に落ちる話の連続で、目を見開かされること請け合い!