高橋里奈『ラフマニノフ24の前奏曲集』ピアノの特性の考え抜かれた演奏がもたらす24篇の詩を読むような体験

2021.05.21

ドイツ国立ベルリン芸術大学卒業、高橋里奈さんの3rdアルバム。ピアノの特性、余韻、残響まで考え抜かれて音楽が進んでいき、さらにそこにしっかりとした自己主張も見える表現です。これまでに聴いた誰のラフマニノフの前奏曲にも当てはまらない演奏です。強音も1音1音しっかりした打鍵、弱音の微妙なニュアンス。浅田真央選手使用曲で一躍ポピュラーになったOP.3-2“鐘”の不気味な出だしの部分などは、これから何か始まる!という期待を持たせる響き。OP.23-5“alla marcia”のリズム感と、途中のレガートの対比も見事。全体を通して24篇の詩を読んでいるようです。

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