ドイツ国立ベルリン芸術大学卒業、高橋里奈さんの4枚目のアルバム。前作『ラフマニノフ 24の前奏曲』では力強かったりポエティックだったり超絶技巧だったり、な演奏が印象的でした。今作は打って変わって透明な印象。子守唄や夜に聴くのにぴったりのピアノ曲が厳選されています。特に良かったのがシューベルト=リストのセレナーデと、ブラームスの6つの小品。〈夜に聴く〉のテーマにぴったりな詩情溢れる演奏です。すーっと自分の呼吸も演奏に合っていきます。変な話、聴いていたら眠ってしまいそう。それくらいに自然で心地良い。