Ex-iTやLapis Lazuliといったバンドでの活動を経て、T.M.RevolutionをはじめJ-Popシーンで幅広くサポートを務めるベーシスト、IKUO。アニメ「テニスの王子様」の主題歌“LONG WAY”(2003年)など、ソロ・アーティストとしてのヒット・ソングでも知られている。そして、小比類巻かほるから今市隆二(三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)まで、多数のアーティストとの共演で知られるベース・プレイヤーのTAKA(村田隆行)。I.T.Rとは、ジャンルを超えて活躍する2人のベーシストによるユニットだ。
そのI.T.Rが今年、活動開始から10周年を迎え、この度2021年6月25日(金)に待望のファースト・アルバム『「Bass Life Goes On」~今こそI.T革命~』をリリースする。一流の音楽とフレンチを提供する東京・赤坂のミュージック・レストラン〈MZES TOKYO〉のレーベル〈Mzes Records〉から、第1弾アーティストとしてのリリースである。
すでに2枚のアルバムを発表しているThe Choppers Revolutionはこのユニットが発展した形で、更に鳴瀬喜博(CASIOPEA 3rd)が加わった3人ベースのスタイルである。ひたすら超絶テクニックを追求するThe Choppers Revolutionに対して、このI.T.R では彼らのポップな側面にもフォーカスしているのが特徴。本作では、ゲスト・ミュージシャンである坂東慧(T-SQUARE)、山崎慶、白井アキト、そしてヘンリック・リンダー(ダーティ・ループス)たちによるスーパー・プレイからも目が離せない。全曲書き下ろしのオリジナル・ソングによる、テクニカルかつポップなツイン・ベース・アルバムの登場!
I.T.R=IKUO TAKA Revolution
――I.T.R結成の経緯を訊かせてください。
TAKA(村田隆行)「僕は上京してプロ活動を始めたのが年齢的に遅かったこともありまして、同業のプロ・ミュージシャンをファン目線で見てしまう傾向があるんです(笑)。IKUOさんも、僕にとってはジャンル的にもテクニック的にも未知な憧れの人。でも会って話してみると近所にいるカッコいいお兄さんみたいな先輩です」
IKUO「村田くんから一方的に誘われて始まったという感じです。ユニット名はIKUO TAKA Revolutionの略で、I.T.R。このユニットを始めた10年前はIT革命なんて言葉も流行ってましたし、ベース革命という意味も込めてI.T.レボリューションにしました。僕がT.M.Revolutionの仕事を10年以上やっているので、それをもじったわけでもありますが……(笑)」
――ベース2本で一緒にやるという発想はどこから?
TAKA「僕はタイプとしてはフュージョン/ファンク系のオーソドックスなプレイヤーなんですが、IKUOさんは幅広いジャンルを網羅していて僕とは全く違う多彩なテクニックを持っています。ツイン・ベースを似たタイプの人とやっても意味がないですから、その点は都合が良かったですね。
でも、ルーツは二人ともジャコ(・パストリアス)やマーカス(・ミラー)といったクロスオーヴァー/フュージョンなので、分かり合えます。よし、これならアンサンブルできると思ったんです」
IKUO「僕は96年デビューで、今年でデビュー25周年なんです。もともとはジャズのキャリアを築いてきたつもりで、六本木ピットインに一月で最多出場したこともあります。
ところがアニソンやヴィジュアル系の仕事もやるもんですから、そちらのイメージが強すぎて、今ではジャズ畑の人から〈IKUOって誰?〉なんて言われるという不思議な状況になってます(笑)。そんなわけで現在の僕の土壌というかファン層はヴィジュアル・ロック系が多いので、フュージョン系の村田くんとは全く違う客層で面白いんですよ」