歌ウマ揃いな韓国の音楽シーンにあって、なかでも唯一無二感あるな~と思うシンガーが2人います。一人は再三言いまくっているZION.T(この人はいろいろ超越的なものがございますな)で、もうひとりが今回紹介するBUMKEY。私のブログ第1回で取り上げたTROYというグループのリーダーであります。それにしてもTROYはまともに活動しているのでしょうか……なさそうだな。
先日、レーベルメイトのラッパー・SAN Eが、BUMKEYを招いた“Body Language”というエロ曲を発表。ここでのBUMKEYさんの歌がエロく……失礼、エラくツボで、気になって仕方なくなってしまいました。
どこの国にも〈フィーチャリング王〉的な人はいるものですが、彼もそのなかの一人と言っても過言ではないでしょう。キャリアは10年ほどになるものの、まともにリーダー作……というかBUMKEY名義でシングルを発表したのは昨年の“Bad Girl”が最初。このタンゴ調のトラック、イイですね。
それまでPRIMARYやVERBAL JINT、EPIK HIGHなどなど韓国の錚々たるヒップホップな面々をはじめ、さまざまなアーティストの楽曲に客演してその名を広めてまくっていたこともあり、自身の“Bad Girl”とそれに続く“Attraction”はいずれも大ヒットしました。
BUMKEYの良さは……程良く鼻にかかった揺らぎのあるヴォーカル、それに尽きる。彼のここがああでこうだからこう、みたいなことはなく……それだけです。とはいえこれは本当に奇跡的なことで、歌うために生まれてきたとはこういう人のことを言うんだと思うんですよ。包丁一本ならぬ、歌声一本。顔や身体つきがイイとか、キャラクターが特徴的で~といった付加価値も付いたうえで良いというのではなく(BUMKEYさんがどうのこうのと言っているのではありません、誤解なきよう)、ただひたすら〈歌声〉が良い。歌が上手いのは前提だけど、どんな曲も彼の声のエキスをポツと垂らすことによって、見える&聴こえる世界が劇的に変わる――そんな魔法を持ったシンガーなんです。
それにしても、客演ものはやっぱりスロウ系が多いですね。ワーッといっぱい聴き直していたら、ちょっとつまらなくなってきました(苦笑)。だからこそ“Bad Girl”やTROYの“Green Light”、SAN Eの“Body Language”といった動きのある曲でのBUMKEYの歌がより響いたのかもしれません。ZION.T並の柔軟性は持ち合わせているはずなので、もっと自分の曲で冒険してくれると嬉しいな。ところで、いつアルバムを出してくれるのでしょう……ソロでもTROYでもいいので……ASAP!
さっくりつまらないなどと言ってしまいましたが、とはいえ客演曲で好きな曲は結構あります。ラッパー・B-FREEの濡れ系ソウルなんてもう大変!
さらに↑と同路線の80s風味なPALOALTOの一曲。PALOさんとは先に紹介したPRIMARY“Love”でも共演してます。
ちなみにちょっと話はズレますが……このPALOALTOとB-FREEを含む、韓国のヒップホップ・レーベル=ハイ・ライトの面々が、8月30日に東京へやってくるんですって! ここに掲載した曲が聴けるかはわかりませんが、確実にイケてるお祭りになるはずなので、めちゃめちゃ楽しみです。ここでレポートしてもいいかな?
※〈HI-LITE SUMMER TOUR 2014〉詳細はこちら
そんなこんなで長くなりました。どこにいてもBUMKEYさんの声は光り輝いているはずですが、何がどうなるとそういう展開になるのだろう……というPVのせいで、彼の存在を忘れかける一曲でお別れです。
壮絶。