この情報化社会、ウェブサイトたるものしっかり編集されたもの以上に何はともあれ速報!が大事……いや両方大切です。そんなスピード時代のカウンターと言いますか、10月からずっと心に温存していたとっておきのネタを、ひとつ年齢を重ねる前に出しておこうかと思います――すみません、単純に手が回らなかっただけです。ちなみにもうすぐ私の誕生日です。
10月に韓国のラッパー、DOK2 & THE QUIETTというイリオネア――本来の発音としては〈イリネア〉と書いたほうがいいのですが、ここは日本的にしておきますね――の社長2人によるライヴに行ってきました。JAY PARKと共に来日した7月の公演(この時はBEENZINOを含めたイリオネアのフル・メンバーで来日)でも彼らのステージを観ていたのですが、その時とはまったく印象が違いました。7月は結構大きな会場だったので、楽しかったは楽しかったけれどその広さを若干持て余している感じがなきにしもあらず。いまいち彼らの本領が発揮できてないような気がしていたのですが、渋谷のライヴハウスで行われた今回の2人宴はまあ盛り上がった! 今回も動画撮影などを試みましたが、またしても圧倒的なポンコツぶりにより早々に諦めましたので、気になった人は他の方々による映像をググっていただければと思います。フロアのオーディエンス(可愛らしいお嬢さんがたくさんいました)との交わりぶりも抜群に良くて最強に楽しかった!!
DOK2とQさん各々のソロ曲に、イリオネア・レコーズ名義のトリオ作からの楽曲も織り込んだ構成なのは変わらず。特に今年リリースされたイリオネアの最新作『11:11』が完全にミーゴス状態! 同作で数曲のプロデュースを手掛けたPRIMA VISTAによるナンバーもそれを意識したかのような安定のサウス・スタイルで、そんな最新作からのトラックもいろいろ聴けたのが良かったです。いまやすっかりアンセムと化しているMC META(かの地のヒップホップ・シーンではレジェンド的な存在でしょうか)が参加している“연결고리(YGGR)”は本編に続いてアンコールでのおかわりもあり。決してコンビと謳っているわけではないこの2人ですが、ステージ上ではもはやソロだろうがユニットだろうが垣根のない二世帯住宅っぽい独特のパフォーマンスで、兄弟というより熟年夫婦みたいなツーカー風情が良いヴァイブスを生んでいる感じがしました。
個人的には↓のトラックが可愛くて好きです。
所有する車はロールスロイス・ゴーストやランボルギーニなどなど、ニコール・シャージンガーは親戚(本当らしいです)というヤング・ボス、DOK2さん(24歳)。リッチ&フェイマスを全力でアピールしていながら(先日行われたDOK2のイヴェントでは、イリオネアだけに入場番号11番の人に現金20万ウォンが進呈されたとか。not 11万ウォン)、いや本国では実際そうなんだと思いますが、来日時には銀座……ではなく東京は梅丘発・美登里寿司(の渋谷にある支店だったのかな)の行列に普通に朝から並んでいたりする隙だらけな感じが大好きです。美登里寿司は美味しいから間違っていない!
今回のライヴを観て、もう一度BEENZINO入りのトリオでのショウが観たいなと思わされました。もうソウルへ行くしかない! そういえば大晦日にソウルで行われる、イリオネア勢が出演するイヤー・エンド・パーティーが俺得しかないラインナップで、↓のフライヤー画像によると、メインアクトのステージらしい海外勢を含むEDMな皆さんの後に地元ヒップホップ勢がまとまっているのですが(ハングルなのでわかりずらいですね)、イリオネア全員集合にVERBAL JINT、GRAY(この人のトラックメイカーとしての才も素晴らしいものがあります)などなど……行きたいな……。
今年はJAY PARKも観られたし、ソウルでZION.TとCRUSHも観られたし、ハイ・ライトとの出会いも大きかったし、DOK2とTHE QUIETTは2度も観られたし、だいぶ充実していたのではないかしら、私。来年はもっと地下に潜りつつ充実させたいですね。日々の記事で紹介していたMOOD SCHULAやCONG VUといったDJ/プロデューサー陣も本当に気になる仕事をしているし、彼らの動向にも来年以降注目していきたいです。韓国は本当に粒揃いですよ。おかげで私のブログも韓国勢のネタが多くなってしまいましたね……。
そういやハイ・ライトで思い出したのですが、夏の来日公演で惚れたHUCKLEBERRY Pのソロ・アルバム『Gold』はやはり素晴らしかったことを添えておきます。パンソリ(太鼓と歌い手の2人による韓国の伝統芸能)風や日本の祭囃子を思わせるもの、アフロ・グルーヴを感じるトラックまであったり、彼の圧倒的な存在感を放つラップが幅広いスタイルのビートに対応し得ることを証明する仕上がり! 豪快かつカラフルなプロダクション、またすごくキャッチーでもあります。聴いてくれると嬉しいな。