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コラム

ロイ-RöE-のEP『ワルサ』に見る最強にギャルマインドなシンガー・ソングライターの姿

ロイ-RöE-のEP『ワルサ』に見る最強にギャルマインドなシンガー・ソングライターの姿

〈女の「飴と鞭」を唄うマルチ・クリエイター〉、ロイ-RöE-が本日9月15日にニューEP『ワルサ』をリリースした。〈13~18歳の不安定で危なっかしい女の子の罪悪感、わるだくみ、心の非行、背伸び、反抗〉をコンセプトにした本作は、ロイ-RöE-にとって初のオリジナル曲のみで構成されたEPで、日本テレビ系ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」のオープニング・テーマとしてお茶の間で親しまれている“YY”など全6曲が収録されている。今回は、そんな『ワルサ』の魅力を音楽ライターの坂井彩花に解き明かしてもらった。

なお、Mikikiは本作についてのロイ-RöE-へのインタビューを収録済み。そちらの掲載もぜひ楽しみにしていてほしい。 *Mikiki編集部

 

信念を貫く最強にギャルマインドなシンガー・ソングライター

〈最強に「ギャルマインド」なシンガー・ソングライターが現れた〉。

ロイ-RöE-の音楽に触れて、そう思わずにはいられなかった。

強い信念をもって突き進み、周りからの見えない圧力に流されることもない。〈大人なめてんじゃねーぞ!〉と怒鳴りつけられたって、〈なめてまーす♡〉と返してしまいそうなしたたかさがある。

そもそも彼女は、大人でも子どもでもない少女が持つ無敵さに、強く魅了されている。好きな映画は「ひなぎく」「小さな悪の華」「プリティ・ベビー」、愛読書は嶽本野ばらの「下妻物語」。ワガママに己の正義を突き進む自由奔放な生き様を愛し、歯に衣着せぬ女同士のケンカに美しさを見出す。真っ赤なルージュを引く一方で、めんどくさいことはあどけない表情でひらりとかわす、大人と子どもを行き来しながら自分の正義を守る少女の逞しさを好んでいるのだ。

この〈大人と子どもを行き来しながら自分の正義を守る逞しさ〉は、昨今よく話題にのぼる〈ギャルマインド〉とも通ずるものがある。気持ちに嘘をつかず言いたいことはハッキリといい、大人が予想できないことを実行し新たな常識を打ち立てる。そして何より、自分が思う〈好き〉を諦めない。

映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」には、サニー(90年代の女子高生仲良しグループ)のメンバーの「ウリやらずに金出させるのがプロじゃん」「リーマン狩りとかダセえことやってんじゃねえぞ」といったセリフがある。知らないおじさんにシャネルの新作は買ってもらってもウリは絶対にやらないし、ファミレスで注意されるほど騒いでもクスリには決して手を出さない。独自の美学を持ち突き進む姿勢こそ、ギャルマインドの本質。不安定な危うさを孕みながらも、リスクなんて見えないふりをして自由気まま(に見える)な振る舞いで自分の信念を守る。そういった気高さを、ロイ-RöE-にも感じるのだ。

2018年の映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」予告編

 

〈イイコ〉でいることに疲れたあなたへ――大きな一歩を踏み出した『ワルサ』

9月15日にリリースされた『ワルサ』は、彼女の美的センスに忠実な快作になった。デザイン性にまでこだわった文学的なリリック、ルールに縛られない遊び心のある楽曲アプローチはそのままに、一歩前に進んだ印象がある。

『ワルサ』クロス・フェード動画

2018年にリリースされたEP『ウカ*』は、ルーツとして掲げる小島麻由美からの影響が見え隠れする瞬間が多かった。〈ジャズやフレンチ・ポップ、昭和歌謡を融合したサウンドに乗る、可愛らしくも毒の効いた歌声と歌詞〉は、ロイ-RöE-と小島麻由美に通ずる共通項。そこから大きな一歩を踏み出したのは、彼女がいい意味で図々しさを開放したからなのだろう。

今作のロイ-RöE-は、より自分の美に貪欲になっている。着飾らぬワード・チョイスの“少女B”刺激的なサウンドの“VIOLATION”と既発の曲も面白いのだが、ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子」のオープニング・テーマである“YY”を始めとした2021年以降の楽曲は一段と興味深い。

『ワルサ』収録曲“YY”

“YY”は和やチャイナ風を感じさせるメロディーでありながら、サウンドやアレンジはUSを香らせるアプローチ。共作にBTSやBLACKPINKの作詞・作曲・プロデュースを手掛けるSUNNY BOYが参加していることも要因のひとつではあるが、何よりも90~2000年代の音楽を好んでいた彼女が昨今のヒット・チャートのサウンドを受け入れたという事実が大きいだろう。61曲のカヴァーを1日1曲ずつTikTokで公開する〈61Filter〉を経て、視野を広く持てるようになり辿り着けた新たな境地。『ワルサ』についてのインタビューで語ってくれた、現行のヒット・ソングへの先入観を越えたからこそ、生み出せたキラー・チューンといえよう。

また、マシコタツロウと共作した2曲も彼女の新たな一面に出会える仕上がりだ。往年の名曲“Can’t Take My Eyes Off You”を彷彿する解放感とキュートなラップがクセになる“ファボリテ”、切ないリリックにアンニュイな声の成分が溶ける“そぼふる”。真逆ともいえる魅せかたで、ロイ-RöE-の可能性を拡張する。

NABOWAがアレンジを手掛けた“おまえはパラダイス”も、今まで知らなかった彼女に出会えることは間違いないのだが、せっかくなら曲名で〈こんな曲かな〉と想像してから聴いてみてほしい。そのほうが、本音をストレートにこぼすのが苦手という彼女の不器用な人柄を感じることができるはずだから。

思うように遊びにもいけないし、会いたい人にも会えないし、そろそろ〈イイコ〉でいることにも疲れた時期だろう。彼女が『ワルサ』で提示する自分の美を追求する強さは、今を生きる人の支えになるはずだ。

ライブ映像シリーズ〈RöE's rööm live〉。〈RöE's rööm live〉はホーム・コンサート形式で撮影されたライブ映像作品

※ニューEP『ワルサ』についてのロイ-RöE-へのインタビューは後日掲載

 


RELEASE INFORMATION

リリース日:2021年9月15日
配信リンク:https://roe.lnk.to/warusa

TRACKLIST
1. YY(作曲・編曲:ロイ-RöE- & SUNNY BOY)
2. ファボリテ(作曲:ロイ-RöE- & マシコタツロウ/編曲:GAKU)
3. 少女B(作曲:ロイ-RöE-/編曲:ロイ-RöE- & The Anticipation Illicit Tsuboi)
4. VIOLATION(作曲・編曲:ロイ-RöE- & Face 2 fAKE)
5. そぼふる(作曲:ロイ-RöE- & マシコタツロウ/編曲:GAKU)
6. おまえはパラダイス(作曲:ロイ-RöE-/編曲:NABOWA)

全楽曲作詞:ロイ-RöE-

 

TV INFORMATION
ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜

日本テレビ系
放送時間:水曜日 22:00〜23:00
出演:戸田恵梨香/永野芽郁/三浦翔平/山田裕貴/西野七瀬/平山祐介/千原せいじ/ムロツヨシ
原作:泰三子「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」(講談社「モーニング」連載中)
脚本:根本ノンジ
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:藤森真実/田上リサ(AX-ON)
協力プロデューサー:大平太
演出:南雲聖一/丸谷俊平/伊藤彰記
©日本テレビ

 


PROFILE: ロイ-RöE-
作詞作曲編曲からミュージック・ビデオやアートワークの制作まで、枠に囚われずマルチに創作を行うシンガー・ソングライター。
中学卒業後、モノを創る仕事をしたいと思い立ち、独学で音楽の道へ。
ジャズ、フレンチ・ポップ、昭和歌謡、ヒップホップなど多様なな音楽的ルーツから生み出されるジャンルレスなサウンドと、三島由紀夫や中原中也からインスパイアされた文学的歌詞が魅力。2018年10月にファースト・デジタルEP『ウカ*』をリリースし本格的に音楽活動をスタート。2020年8月31日にカヴァー・プロジェクトの集大成であるデジタルEP『61Filter』をリリース。企画内でカヴァーした“チャイナアドバイス”(相対性理論)は楽曲使用回数が4万回超、関連動画の再生回数が1億回を超え、TikTok流行語にノミネートされるなど他のSNSを巻き込み、さらなるバズを生んだ。戸田恵梨香と永野芽郁がW主演を務める日本テレビ系ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」のオープニング・テーマ・ソング“YY”を2021年7月21日にリリース。