各種メディアを席巻中の大人気不良漫画のアニメ化!

 「新宿スワン」の作者和久井健が「週刊少年マガジン」に連載中の「東京卍リベンジャーズ」。原作は、累計発行部数3200万部突破(21年7月時点)、北村匠海主演で実写映画化、舞台化、テレビアニメ化と、一大ブームを呼んでいる。ここでは、この一大コンテンツにまだ触れていない方に本作の魅力の一端をお伝えできればと思う。

 主人公・花垣武道は26歳のフリーター。本人も認める希望のない〈底辺〉の生活を送っている。ある日、テレビのニュースで中学時代の彼女とその弟が半グレ集団〈東京卍會〉の抗争に巻き込まれ死亡したニュースを目にする。その翌日、何者かに電車のホームに突き落とされる主人公は、何故か12年前の中学時代にタイムリープ。中学時代と現在を行き来する能力を得た主人公が、タイムリープで暴走族時代の“東京卍會”に入り過去を書き換えることで、現在の元カノを救うという物語だ。

 まず、タイムリープの設定がすごい。タイムリープものの弱点が、過去の改変を際限なくやり直せるという点にあるが、本作では12年前の同じ日にしか戻れない設定を採用することで、現実世界と同様やり直しがきかない緊張感を生んでいる。

 暴力のリアリティーライン設定がすごい。描写自体はソフトではあるが、その端々に、主人公を含めいつ間違って死んでもおかしくないリアリティーラインを醸成することに成功している。

 〈東京卍會〉のメンバーのキャラの魅力がすごい。キャラ造形はもとより、例えば龍宮寺堅、通称〈ドラケン〉といったネーミングセンスに痺れる他ない。各々の“推し”をめぐっていくらでも盛り上がれること間違いなしだ。

 最後となるが、主人公の設定がすごい。不良漫画でありながら主人公は喧嘩が弱いのだ。更に、その点では成長もしない。しかし、主人公は〈東京卍會〉で台頭。過去の自分への〈リベンジ〉を果たす成長譚になっているのである。

 気になった方は、是非、ご自身の目でその魅力を確認していただければと思う。