40歳で夭折した詩人フランク・オハラの評論。後半オハラの詩の邦訳が収録されている。著者はリロイ・ジョーンズの詩の邦訳でも知られる飯野友幸。オハラはMOMAに学芸員として勤務し戦後、アメリカで詩を活動の拠点に多方面に渡って活躍した。この本でも度々取り上げられる音楽家モートン・フェルドマンとの親交をはじめ、同時代の音楽にも深く関わっていた。そのフェルドマンはこの詩人を「ジンジャー・ロジャーズであるアート・コミュニティー丸ごと同伴するフレッド・アステア」のようだと評した。抽象表現主義の絵画、不確定性の音楽とオハラの詩を並列しその詩法を論じる本書に、オハラはNYのストリートを彷徨う流体だと感じた。
「フランク・オハラ 冷戦初期の詩人の芸術」モートン・フェルドマンが〈まるでフレッド・アステア〉と評した夭折の詩人に迫る評論
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