現在のエレクトロ/アンビエントシーンで大きな注目を集める電子音楽家=冥丁が昨年リリースされた『古風』の世界観をさらに広げた続編をリリース。〈失われた日本のムード〉というコンセプトのもと製作された楽曲たちは、緻密に計算されたビートや日本語のサンプリング、和楽器の音色で江戸~明治時代の古き良き瞬間を抒情的に表現している。先行配信曲“黒澤 明”はアルバム終盤に相応しい、波乱の時代のダイナミズムを感じることができる。過去の4枚のアルバムをリリースし、長きにわたり〈日本らしさを〉追究してきた冥丁。過去の日本文化の美点を振り返り、私たち自身でもその答えを見つけたい。