Mikiki編集部員が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、4人が1曲を厳選し計4曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【田中亮太】

Yukio Nohara “After The Rainbow”

ミックスを担当したToreiさんのツイートで知った楽曲です。(たぶん)都内を拠点に活動しているDJ/トラックメイカー、Yukio Noharaさんによるヒプノティックなテックハウス。推進力のあるベースラインとサイケデリックなシンセメロディーにアガります。ニューディスコ的なグルーヴに身体を揺らせられつつ、うっすら気運を感じつつあるコンパクト再評価な耳にもハマるような……。

 

【酒井優考】

meiyo “クエスチョン”

赤い公園のライブ会場で見かけたり情報交換をしたりする友人だったタカシくんが〈俺だけが知ってるめっちゃいいミュージシャン〉になり、そんな彼からのオファーで連載を始めたのも束の間、いつの間にかウチの子供でも曲を口ずさむような〈みんな知ってるミュージシャン〉になってしまい(小学校で流行ってるらしい)、感慨深すぎてマリアナ海溝くらいの穴が空きそうです。

この曲は、“なにやってもうまくいかない”(祝! MV1300万回超再生!)での成功によって、嬉しさよりも戸惑いがまさったという彼の、文字通り〈クエスチョン〉を表現した楽曲。でもそんな歌詞も〈戸惑った~困った~助けて~〉一辺倒ではなくて、彼らしい言葉遊びや押韻を巧みに用いた面白い歌詞だし、曲調は“なにうま”やその直前にリリースされた楽曲とは異なり、原点回帰の底抜けに明るい(そしてたまに切ない←ここが重要)ギターロック。

〈なにやってもうまくいかな~い〉と口ずさんでる我が子を含む小学生たちよ。これから大きくなって〈僕って誰?〉ってクエスチョンにぶち当たることも多々あるだろうけど、〈なにうま〉だけでなくこの曲も聴いて、この曲のように明るくクエスチョンを解決していってほしいな。

 

【天野龍太郎】

Dos Monos “王墓”

全部観ているわけではないんですけど、最近ちょっとハマっている「ドキュメンタル」の新しいシーズン10をちらっと観てみたら、いきなり荘子itのラップが聴こえてきてびっくり。そんな「ドキュメンタル」のために書き下ろされた“王墓”は、Dos Monosらしい狂い具合とシリーズへのオマージュが散りばめられているところがよかった。あと、最近、没くんはどんどんイカれてきていて最高だなって思っています。配信リンクはこちら

 

【鈴木英之介】

冥丁 “茶寮”

もともとアンビエント好きではあったのだが、その傾向がいよいよ深まってきており、最近は国内外のアンビエント作品ばかり聴いている。その中でも、ジェフ・パーカー『Forfolks』と並んで最近特に心を掴まれたのが、冥丁の新作『古風II』だった。その収録曲“茶寮”は、和楽器や電子楽器が寄せては返す波のように、哀愁漂うフレーズを反復しながら芳醇な余韻を残していく、アンビエントの真髄が感じられる一曲。他の収録曲もいつもながら独創的で素晴らしいので、アルバムを通して聴いてみることをオススメしたい。