サンダーキャットやカマシ・ワシントンと共演経験のあるピアニスト。2020年に発表されたソロ・ピアノ作品『Ished Tree』で聴かせた内省的な美しさから一転して、本作では自身のグループによる演奏をメインとしたジャズ・サイドと、サンプリングによるヒップホップ/ビート・サイドという2つの側面で構成された、ジャメル・ディーンという特異な才能の全てを解放した作品となっている。寄り添うようなピアノの旋律から、サン・ラ、アリス・コルトレーンなどの影響を感じさせるインプロヴィゼーションまで、その振り幅の広さに驚嘆させられた。