古希を迎えたメレンキャンプ。深い皺が刻まれた声はますます嗄れ、沈鬱なムードも随所に頻出、アコーディオンやフィドルの登板が多めなダウンホーム感満点のサウンドはカラカラでザラザラな触感を醸すものばかり。それにしてもいったい何なんだ、この迫力は。肉が削ぎ落とされた印象は一切なく、サザン・ロック風味の“Lie To Me”のようにひとたびラウドなエレキが鳴り響けば、見覚えのあるタフな心意気がむくっと膨らむ。実に濃厚かつ骨太。そんな印象は血を分けた兄弟とも言えるブルース・スプリングスティーン参加の3曲において極まる。両者の味が絶妙に混じり合う“Wasted Days”の濃厚な喉ごしといったら。それから、甘くて感傷的な“Driving In The Rain”は大の付く名曲である。