メキシコの伝統音楽ウアパンゴとR&Bを組み合わせ〈未知の音楽〉と評された前作から3年。シカゴの5人組が放つ新作は、これまでと比べ格段にラテン音楽の伝統を尊重したというか、伝統的なものが核にあるのだけれど、その周りが万華鏡のように形を変え、伝統のアップデートともクロスオーヴァ-とも一線を画すまさに異端な内容となっている。ドン・チェリーやベン・ラマーゲイ、UKサイケポップからガブリエル・ガルシア・マルケスの「百年の孤独」、さらにツアー中にヴァンの車窓から見た荒野などなど、それら多様な要素から得たインスピレーションをラテンのリズムによって推進させたヤバい1枚。