キャサリン・ブルートンによる本書はイギリス児童文学賞〈カーネギー賞〉にノミネートされた。6歳で戦争を知ったシリア出身の11歳のアーヤは紛争から逃れるため家族と共にイギリスへと渡る。しかし父親とははぐれ母親は病となる。アーヤの下には幼い弟。アーヤは言う「どうしてこんなことになったの?」。その彼女を救い希望を与え、支え続けてくれたのは音楽でありバレエであった。アーヤはバレエを通して大きく成長をとげていく。決してこの物語は本の世界ではなく現実に起きていることだ。ロシアとウクライナによる戦争が続いている今だからこそ、子供たちから大人まで多くの人々に読まれてほしい物語である。
キャサリン・ブルートン「シリアからきたバレリーナ」難民の少女を支えた音楽とバレエ――ロシア・ウクライナ戦争が続く今こそ読みたい児童文学
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