中央アフリカ出身で欧州ハウス・シーンを中心に20年以上のキャリアを持つボーディ・サットヴァの最新作は、2012年の『Invocation』と2016年の『Transition』と併せた3作で円環を成すという2枚組全31曲の大作だ。ディープ・ハウス~アフロ・ハウスを基調にしながら、R&B、ダンスホール・レゲエ、アフロ・ファンクまで、バックグラウンドの違う音楽を柔軟に取り込んでいる。客演はアフリカ勢が中心となるが、南アのアマピアノ風トラックの上でラヒーム・デヴォーンが歌う“Fitness Me”や、軽快なアフロビーツにビラルの歌声が粘りつく“Love Will Revisited”など、ローカルなビートに欧米のシンガーも迎え入れて提示するのは、世界的に活躍してきた彼ならではの芸当だろう。