LAを拠点に活動する韓国系アメリカ人SSWのNoSoのデビュー作。一聴すればMitskiのような爽やかなポップスだが、歌詞にはアジア系アメリカ人の多くの人が経験する不安や複雑な気持ちを乗せている。“I’m Embarrassed I Still Think Of You”のようなしっとりとしたバラードからギターロックな曲までシンガーとしての細やかなアレンジや力強さはリスナーを惹きつける確かな表現力がある。その背景にはマイノリティである事や日々のフラストレーションをも〈自分であることの自信〉としてこのアルバムに落とし込んでいる。

 


タイニー・デスク・コンテスト〉のファイナリストにも選ばれたアーティストのデビュー作。韓国系アメリカ人という背景がもたらす不安やストレスを描きつつ、孤独な人への優しい眼差しも窺える歌詞は、感情の機微を表現できる豊富な語彙が光る。シンプルなフレーズを編みながら、複雑な情感を醸す上手さが際立つ。アンビエントの要素も漂うドリーミーな音像や、フィービー・ブリジャーズを連想させる繊細な歌声もグッドだ。