初っぱなの第一音で全ての感覚が瞬く間に引き寄せられる。否が応にも音に没入せざるをえないこの緊張感を、音世界を直に肌で感じたひとたちは奇跡的に幸福と言わざるを得ない。どこまでも深く果てしなく空高いモニカの歌声。時に夜闇に煌めく水面のようなピアノ。心地よい夜風のようなフルート。優美なストリングス。懐かしさを超えた遥か昔の記憶を見せられているような不思議な感覚。ブラジルのヴィニシウス・ヂ・モラエス、そしてポルトガルのジョゼ・アフォンソという偉大な作曲家の作品をモニカ・サルマーゾとポルトガルのジョゼ・ペドロ・ジルが歌った共演ライヴ盤。