©Thais Gallart-Acervo do Violão Brasileiro

 

ギンガ&モニカ・サウマーゾ来日! 初共演となるアルバム製作も決定

 ギンガという愛称の作曲家兼ギタリストはショーロやサンバが生まれ育ったブラジルのリオ・デ・ジャネイロ出身。若い頃から彼の曲は実力派の歌手に取り上げられてきたが本人は40歳を過ぎて1991年に遅咲きのデビューを飾っている。でも最近はブラジルのみならず欧米でも彼の個性豊かな音楽性に注目が集まっている。彼の音楽は旋律が尋常でないのだが、その不思議な世界を何度も味わっていたらいつの間に心を奪われてしまう。予測不可能な旋律と和音の展開がギンガの音楽の最大の特徴だが、ブラジルという〈未完の混血文化〉を音楽で表現したらこうなるのかもしれない。

 一方いまやサンパウロを代表する女性歌手のモニカ・サルマーゾはギンガの音世界を最も忠実に描けるひとりだが、彼女はそこに自らの〈母性〉を加えながら大らかな歌声で包み込み、ギンガの音楽の〈特異性〉を和らげる。その2人のデュオにさらなる魅力を加えるのが2人の管楽器奏者、プロヴェッタとテコ。ギンガの音楽に内包される多種多様なブラジル音楽の歴史と伝統に対し彼らは時には鮮明なエッジを加えたり、時には柔らかな絵筆のタッチでボカシを入れながら、その色彩と味わいを最適にコントロールするし、場合によっては管楽器で打楽器以上の躍動感を加えることさえ平気にやってのける。

 このプロジェクトに対するクラウドファウンディングの成功で、このメンバーでの作品が録音制作されるのも今回の来日公演を有意義な形にしている。唯一無二の存在であるギンガと、彼の良き理解者でありその音楽を見事に展開して聴かせる共演者たち。彼らが一体となって奏でる豊穣で濃密な音楽を是非とも楽しんでいただきたい。

 そしてこのタイミングで2014年の作品『ホエンドピーニョ』がLPレコードで発売になるが、これはギンガ珠玉のソロ作品。既に世に出た楽曲も彼自身の歌と演奏でより深い表現になっており、それをアナログ盤で聴けるのも我々音楽ファンにとって最上の喜びになるだろう。

 


LIVE INFORMATION

Guinga & Monica Salmaso Japan Tour 2019
○4/6(土)17:30開演 会場:山形・文翔館議場ホール
○4/8(月)18:30・21:30開演(2ステージ) 会場:ビルボードライブ大阪
○4/10(水)19:30開演 会場:東京・練馬文化センター 大ホール
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