歌う現代アートことアリプロの最新作は、ギターを前面に出したハードで複雑なプログレ系の楽曲を中心に、キャッチーなエレクトロックやクラシック調のバラードも同居して近年でもっとも刺激的な仕上がりに。宝野アリカの声は相変わらず透明で美しいが、歌ものエレクトロニカ“静謐なる私小説”での多重コーラスやオペラ歌唱はいままでにないもので、デビュー20年を超えてなお挑戦し続ける姿勢が光る。まさに音のアートだ。