ビクターが所有するアナログ・マスターテープを使用したSACD復刻企画がスタート。この音源は1977年の来日時に収録され、当時の最高音質を目指した録音は、現在においても第一級の価値を持つ。テープの状態も良く、今回の初SACD化ではほぼテープそのままの音質が味わえるため、まるで収録時に立ち会っているかのよう。アナログの最高品位で録音が行われ、音の加工を一切行っていない本作は一聴に値する。演奏も1stヴァイオリンのボッセが引退する直前で、極めて充実度が高い。まさにドイツ音楽の正統的な演奏で、このような素晴らしい音源が日本で残されたのは嬉しい。今後も良質音源をSACD化していく意義を感じた