2021年の『Half God』で若き日を振り返ったウィキの新作は、ニュージャージーのビートメイカーと組んだコラボ・ミックステープ。00年代前後のNYサウンドを不穏なフィルターで濾過したサブジェクトの手腕が地下ムードを演出し、ケイスレイ風のシャウトが入る構成も往時のシーンへのオマージュのよう。ニュー・ギニア使いの幻惑的な“Jersey Sub”、ディスコ曲を切り刻んだ“Mista”などが個性的な軟体フロウを引き立てる。